[ワシントン 7日 ロイター] - イエレン米財務長官は7日、内国歳入庁(IRS)の業務負担軽減などのために800億ドルの予算を承認するよう議会に求めた。
イエレン氏は上院公聴会で、納税申告の処理が遅れたり、高所得者の複雑な税務調査を行うのに必要な人材が不足するなど、IRSはさまざまな問題を抱えていると指摘した。
IRSを巡っては民主党のロバート・ケーシー上院議員が、裕福な個人事業主に対する税務調査がほぼ停止されている一方で、低所得の勤労所得税額控除(EITC)受給資格者は5倍も税務調査を受けやすいと指摘している。
イエレン氏は、こうした数字は所得間の不公平感を浮き彫りにしており、背景には富裕層納税者の収入源が不透明なことがあると説明した。
「IRSの予算は、高所得者の複雑で難しい税務調査を大幅に削減せざるを得ない状況にまで減らされている」と指摘。「EITCの監査にこれほど大きな割合でリソースを割いていることは非常に不公平だ」と述べた。
その上で、10年間で800億ドルという予算を議会が承認すれば「支払うべき税金が確実に支払われるようになる」と強調した。