[ジャカルタ 23日 ロイター] - インドネシア中央銀行は23日、政策金利の7日物リバースレポ金利を予想に反し25ベーシスポイント(bp)引き上げ3.75%とした。
利上げは2018年11月以来。インフレに対応するため、金融引き締めを強化する。
ロイター調査では27人中16人が据え置き、11人が25bpの利上げを予想していた。
翌日物預金ファシリティー金利と貸出ファシリティー金利も25bp引き上げ、それぞれ3.00%、4.50%とした。
中銀は今年の経済成長率が予想レンジ(4.5─5.3%)の上限近くになるとの見通しを示した。
中銀のペリー・ワルジヨ総裁はオンライン会見で、今回の利上げについて、コアインフレの上昇リスクに先手を打つとともに、ルピアの安定を強化することが狙いだと説明。食品価格の上昇率が「非常に高く」、補助金のない燃料の価格が上がっていると述べた。
利上げは国内経済の改善を踏まえたものとしている。今後数カ月で追加利上げを実施するかにはコメントしなかった。
ルピアは安値から戻し、0.34%高で取引を終えた。株式市場は一段高の展開となった。
総裁は今年の総合インフレ率を5.24%と予想。従来予想は5%未満だった。コアインフレ率は年末に4.15%に達する見通し。
インドネシア政府は補助金付き燃料の値上げを検討しており、踏み切ればインフレ圧力が強まるとみられている。
7月のインフレ率は4.94%と7年ぶりの高水準。中銀目標の2─4%を上回っている。
DBS銀行のシニアエコノミストは、今回の利上げについて、燃料値上げの可能性に備えるとともに、インフレ期待を安定させることが目的だと指摘。年内に少なくとも50bpの追加利上げがあるとの見方を示した。エネルギー補助金が削減されれば、さらに大幅な利上げを実施するリスクがあるという。
バハナ証券のエコノミストは、金利についてフォワードガイダンスがなかったため、積極的な利上げを実施する可能性は低いとし、年内に最大で25bpの追加利上げがあると予想した。
総裁は、短期債を売り、中・長期債を買う「ツイストオペ」を実施するとも表明。ポートフォリオ投資の流入とルピア高を促す一方で、政府の借り入れコストを引き下げることが目的だと述べた。
中銀は新型コロナウイルスの流行を受けて計150bpの利下げと資金供給を実施していたが、今年に入り流動性の引き締めを開始した。
第2・四半期の経済成長率は好調な輸出や消費の回復を背景に5.4%に加速した。移動規制の緩和が支援要因となっている。