[ウェリントン 14日 ロイター] - ニュージーランド財務省は14日、来年にリセッション(景気後退)入りするとの予測を示した。2024/25年度に財政黒字に転じるという目標は維持した。
23年には総選挙が予定されており、アーダーン首相にとって逆風となりそうだ。
ロバートソン財務相は政府の半期経済財政見通し発表に伴い、「黒字化への道筋には厳しい選択が求められるだろう」と指摘。政府の運営費が据え置かれるため、各省は来年、既存の予算内で新規事業の資金を確保するよう指示されるという。
政府は22/23年度の財政赤字を36億3000万NZドル(23億4000万米ドル)、国内総生産(GDP)の0.9%と予測。これは5月の予算で予想された66億NZドルより縮小した。
旧来の計算方法による純債務は、23/24年度に対GDP比41.8%のピークを付けると予測。5月時点は41.2%だった。
政府は、ガソリン消費税にかかる減税措置を2月まで延長し、公共交通機関の半額制度を3月まで維持すると表明した。
財務省は、23年第2・四半期にGDPが縮小し、その後も同年内はマイナス圏にとどまると予測。ロバートソン氏は記者会見で「23年は多くのニュージーランドの家計にとって困難な年だ」と述べた。
ウエストパックのエコノミストは、財政見通しは比較的良好で、政府支出には一定の余裕があるとした上で「政府は当面は万が一に備えるだろう」との見方を示した。