[ジャカルタ 6日 ロイター] - インドネシア統計局が6日に発表した2022年通年の国内総生産(GDP)伸び率は5.31%となった。前年の3.69%から加速し、2013年以来9年ぶりの高い伸びを記録した。エコノミスト予想の5.29%も上回った。新型コロナウイルス規制の解除を受け消費が回復したほか、国際商品価格の上昇に伴い輸出が過去最高を記録した。
一方で、22年第4・四半期のGDPは前年同期比5.01%増と、伸び率は予想の4.84%増を上回ったが、第3・四半期の5.72%からは鈍化した。21年第3・四半期以来の低成長にとどまった。商品価格の上昇が一服したことが背景にある。海外需要の鈍化や、高いインフレ率、金利上昇が、今年の経済活動の重しになる可能性がある。
資源国であるインドネシアは昨年、ロシアのウクライナ侵攻を受けた商品価格の高騰が経済成長に寄与したが、海外需要はこのところ減退傾向にある。
キャピタル・エコノミクスのアナリスト、シバーン・タンドン氏は「成長率は向こう数四半期に一段と減速すると予想する。海外からの需要低迷や商品価格下落を背景に、輸出が伸び悩むだろう」と指摘。
「国際商品価格は昨年末ごろから下落しており、今後数カ月でさらに下がるとみられる。中国では景気が回復しつつあるが、米国がリセッションに陥るとみられ、世界経済は今年、厳しい状況だ」とした。
昨年の輸出は2920億ドルと過去最高を記録した。
ただ、政府当局者は、今年は経済活動が減速する可能性があるとし、世界経済の低迷で商品価格が一段と下落し、輸出は低調になるかもしれないとの見方を示している。
バンク・マンディリのエコノミストは「中国の経済活動の再開は需要を支えるが、米国とユーロ圏では供給増加と需要減退が見込まれる中、商品価格は軟調になる可能性がある」と述べた。