[7日 ロイター] - 米国株式市場は不安定な値動きの中、反発して取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)がインフレ抑制に要する時間を巡るパウエル議長の発言を消化した。
パウエルFRB議長は7日、ワシントン経済クラブでインタビューに応じ、2023年は「インフレが大幅に鈍化」する年になる見通しだと述べた。
これを受け、先週の雇用統計発表後に後退していた引き締め鈍化への期待が再び高まった。パウエル議長は1月の雇用統計について「これほど強いとは予期していなかった。金融引き締めがなぜかなりの期間を要するプロセスになるかが示された」と述べた。
TDアメリトレードのトレーディングストラテジスト責任者、ショーン・クルーズ氏は「パウエル議長はFRBが近く利下げするとは見込んでいないが、道筋は良好で、必要なことを達成しているとみている」と指摘した。
主要株価指数は議長の発言中と終了後に大きく変動した。アナリストらはボラティリティーが近く解消される可能性は低いとの見方を示した。
パウエル議長の発言後、モルガン・スタンレーは5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で25ベーシスポイント(bp)の利上げが行われるとの見方を示したが、今年12月に最初の25bp利下げがあるとの予想は据え置いた。
マイクロソフトが買われ、ハイテク株の比率が高いナスダック総合が大きく上昇。S&P総合500種も押し上げた。
マイクロソフトは自社製品に米オープンAIのチャットボット(自動応答システム)「チャットGPT」を搭載すると発表した。
中国インターネット検索大手、百度(バイドゥ)の米上場株も12.18%急伸。チャットGPTのような人工知能(AI)を使ったチャットボット「文心一言(アーニー・ボット)」の内部試験を3月に完了すると発表した。
S&P500の大半の業種が値上がりし、パウエル議長発言を受けた原油高でエネルギーの上昇率が最大となった。情報技術と通信サービスも好調だった。
ダウ工業株30種構成銘柄ではボーイングが3.84%高。23年に財務・人事部門で約2000人を削減する見通しを示した。
化学大手デュポンも7.50%上昇。製品の値上げが寄与して四半期利益が予想を上回った。
生活雑貨販売のベッド・バス・アンド・ビヨンドは50%近く急落。破産を回避する最後の取り組みとして、優先株とワラント(新株予約権)の発行を通じて約10億ドルを調達する計画を発表した。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.68対1の比率で上回った。ナスダックでも1.42対1で値上がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は119億8000万株。直近20営業日の平均とほぼ一致した。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 34156.69 +265.67 +0.78 33769.78 34240.00 33634.10
前営業日終値 33891.02
ナスダック総合 12113.79 +226.34 +1.90 11891.25 12150.22 11836.78
前営業日終値 11887.45
S&P総合500種 4164.00 +52.92 +1.29 4105.35 4176.54 4088.39
前営業日終値 4111.08
ダウ輸送株20種 15489.82 +125.49 +0.82
ダウ公共株15種 958.18 -2.91 -0.30
フィラデルフィア半導体 3124.15 +94.40 +3.12
VIX指数 18.66 -0.77 -3.96
S&P一般消費財 1177.70 +2.58 +0.22
S&P素材 526.71 +6.75 +1.30
S&P工業 870.62 +2.15 +0.25
S&P主要消費財 764.28 -2.75 -0.36
S&P金融 614.71 +7.07 +1.16
S&P不動産 254.98 -0.79 -0.31
S&Pエネルギー 676.54 +20.20 +3.08
S&Pヘルスケア 1547.00 +9.90 +0.64
S&P通信サービス 194.74 +4.71 +2.48
S&P情報技術 2505.26 +60.26 +2.46
S&P公益事業 347.76 -0.28 -0.08
NYSE出来高 9.63億株
シカゴ日経先物3月限 ドル建て 27685 + 85 大阪比
シカゴ日経先物3月限 円建て 27660 + 60 大阪比