[東京 28日 ロイター] - 日銀が28日に発表した1月の物価の基調を示す指標によると、品目ごとの上昇率分布の真ん中に当たる「加重中央値」は前年同月比プラス1.1%となり、前月の1.4%を下回った。一方、ウエートを加味した品目ごとの上昇率分布で上下10%を機械的に除いた「刈込平均値」はプラス3.1%と、2001年以降で最高の伸びとなった前月から伸び率は変わらなかった。上昇品目数の比率も低下し、物価上昇圧力がやや後退した。
加重中央値の伸び率が前月を下回ったのは昨年7月以来。品目別分布で最も頻度の多い上昇率である「最頻値」はプラス1.6%で前月と伸び率は同じ。上昇品目の比率は80.3%で、8割を上回ったものの前月の81.2%を下回った。
一連の指標は日銀が総務省発表の消費者物価指数をもとに算出し、毎月発表している。日銀は物価の基調を正確に把握するため、生鮮食品を除く消費者物価指数(コアCPI)だけでなくさまざまなコア指標を総合的に見ている。1月のコアCPIは前年同月比プラス4.2%で1981年9月以来の伸び率となった。
日銀総裁候補の植田和男元日銀審議委員は27日の参院・議院運営委員会で、基調的な物価上昇率は2%まで距離があり、現行の金融緩和が適当との考えを表明した。
(和田崇彦)