[パリ 28日 ロイター] - フランス国立統計経済研究所(INSEE)が28日発表した第1・四半期の仏国内総生産(GDP)速報値は、前期比0.2%増加した。家計消費が回復した。
政府の年金改革法案を巡ってストライキが相次いだが、プラス成長を確保した。2022年第4・四半期のGDPは横ばいだった。
ただ4月のインフレ率は前年比5.9%と予想を上回った。3月は5.7%。エネルギー価格が前年比で3月ほど下落しなかった。
サービスとたばこの価格も上昇。食品価格は下落した。生鮮食品の下落を一因にインフレ率は前月比では0.6%と、3月の0.9%から鈍化した。
インフレ統計発表後、フランスの10年債利回りは3ベーシスポイント(bp)上昇し3.063%。
S&Pエコノミクスのディレクターは「4月の統計はインフレとの戦いがまだまだ終わっていないことを示した。今後、金利上昇の悪影響が強まる可能性が高い」と述べた。
アタル予算相はラジオ局フランス・アンフォに対し、経済は比較的順調だと発言。新型コロナウイルスやインフレ対策で膨らんだ財政赤字を削減するチャンスだとし「財政に厳格になる必要がある」と述べた。
GDP統計では、家計消費は第4・四半期に1%縮小したが、横ばいとなった。
食品消費は5四半期連続の減少。エネルギー需要は上向いた。
輸出の堅調もGDPに寄与した。輸入は0.6%減少、第4・四半期は0.1%増だった。輸出は1.1%増加、第4・四半期は0.9%増だった。
モノとサービスの生産は0.4%増。第4・四半期は0.1%増だった。製造業が好調だった。
製油産業が力強く回復し、生産が13.1%増加した。第4・四半期は11.4%減だった。3月のストライキは昨年10月に比べて規模が縮小した。
サービス部門は0.2%増。第4・四半期は0.1%増だった。外食・ホテル産業の生産が1.5%増と好調だった。第4・四半期は0.2%増だった。