[9日 ロイター] - 豪銀行最大手コモンウェルス銀行(CBA)が9日発表した第3・四半期(3月31日まで)決算では、住宅ローン市場の競争激化で利益率が圧迫されていることが浮き彫りになった。同行は、高金利が今後数カ月、顧客の融資返済能力に影響する可能性があると指摘した。
オーストラリアの金利が過去の例のないペースで上昇し、約10年ぶりの高水準となる中、ローンの返済延滞率が上昇すると予想した。
CBAのオーストラリアでの住宅ローンは1─3月期に69億豪ドル急増した。一方、返済遅延率は0.44%となり、昨年10─12月の0.43%から上昇した。
問題・不良債権は67億豪ドル(45億4000万米ドル)で、2022年末時点の63億豪ドルから増加、全体のエクスポージャーの0.47%を占めた。
CBAは「顧客の多くは高金利や生活費上昇に苦しんでいる」と指摘した。
純金利収入は2%減少した。住宅ローンの価格競争圧力が続いたほか、顧客がより利回りの高い預金に移行したため、純利ざやが低下。「オーストラリアとニュージーランドで住宅ローンの競争は依然として激しい」とした。
法人向け融資は26億豪ドル増加、家計の預金も昨年10─12月から62億豪ドル増加した。
税引き後のキャッシュ純利益は約26億豪ドル(17億6000万米ドル)で、前年同期の24億豪ドルから増加した。シティによると、ビジブル・アルファのコンセンサス予想は25億8000万豪ドル。
普通株等Tier1比率(CET1)は3月末時点で12.1%となり、昨年末の水準から7ベーシスポイント(bp)上昇した。