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ヘリオス テクノ Research Memo(2):現在では製造装置事業が収益の中心になりつつある

発行済 2015-07-03 18:08
更新済 2015-07-03 18:33
ヘリオス テクノ Research Memo(2):現在では製造装置事業が収益の中心になりつつある
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■業績の推移 会社概要 (1)沿革 ヘリオス テクノ ホールディング (TOKYO:6927)の前身である旧フェニックス電機は、ウシオ電機 (TOKYO:6925)からスピンアウトした技術者によって1976年に設立された。
当初は一般照明用ハロゲンランプの製造販売を手掛け、当時の主流だった蛍光灯からの代替需要に乗って、順調に業績を拡大した。
しかし1980年代後半になるとプラザ合意後の円高で輸出採算が急速に悪化し、そこに中国からの安価品の流入や欧州市場における反ダンピング課税などが重なり、業績は急速に悪化した。
1995年には会社更生法申請に至ったが、その際、(株)ナムコ(現・バンダイナムコホールディングス (TOKYO:7832))の創業者・中村雅哉(なかむらまさや)氏が再建支援者となり、斉藤定一(さいとうさだいち)氏がナムコから同社代表取締役社長(現任)に着任し、再建がスタートした。
2009年に(株)日本技術センターと経営統合し、現社名に商号変更した。
同社自身は純粋持株会社となり、ランプ事業を行う事業会社として新フェニックス電機(株)を設立した。
この経営統合に際して、中村氏からの紹介を機に、子会社ナカンテクノ(株)を設立して製造装置事業を事業譲受し、現在に至っている。
証券市場には1989年に店頭登録した。
会社更生手続開始で1996年に登録取り消しとなったが、2002年12月にJASDAQ市場に再上場を果たした。
2005年4月に東京証券取引所第2部に上場し、2006年5月に同1部に指定替えとなって現在に至っている。
(2)事業の概要 同社自身は純粋持株会社で、傘下にはランプ事業を手掛けるフェニックス電機、人材派遣事業などを行っている日本技術センター、製造装置を手掛けるナカンテクノの主要3社を中核に連結子会社4社で構成されている。
また、同社の事業はランプ事業、製造装置事業、検査装置事業、人材派遣事業の4つの事業部門から成っている。
各連結子会社と各事業部門の関係を下の表に掲げたは以下のとおり。
企業再生を完了後、現在の事業構造に至るまでには、同社は非常にダイナミックな事業環境の変化を経験した。
フェニックス電機の時代は基本的にはランプ事業の一本足経営であり、プロジェクター用ランプを中心に一般照明用ハロゲンランプ、自動車用ハロゲンランプ、一般照明用メタルハライドランプ(いわゆる水銀灯)を手掛けていた。
2004年頃からプロジェクターランプは驚異的な伸びを示す。
小型・安価・高精細・高照度のプロジェクターが北米で大ヒットとなったためだ。
2005年3月期にはプロジェクター用ランプの売上高が前年対比で1.7倍に伸び、営業利益も2.4倍に急伸した。
しかし、プロジェクター市場の拡大に連れて価格が急落し、折からの円高も加わって市場シェアを失い、同社の業績は2006年3月期をピークに急落した。
前述したように、2009年に日本技術センター、ナカンテクノと経営統合の結果、2010年3月期以降は現在の4事業部体制となっている。
売上高は過去のピークを超えているが利益面ではピークをかなり下回って、回復の途上にある。
プロジェクター用ランプの価格がピークから現在まで約10分の1に値下がりしたことが響いている。
最近の円安が追い風となって、過去のピークには届かないまでも、売上高・利益ともに回復基調が続いている。
弊社では各事業部門とも営業利益率10%程度のポテンシャルはあるとみており、同社自身も全社的なマージン改善に向けて取り組んでいる最中にある。
2015年3月期実績ベースの売上高と営業利益の事業セグメント別内訳を見ると、現在はフェニックス電機が手掛けるランプ事業とナカンテクノが手掛ける製造装置が収益のけん引役となっていることがわかる。
特に現在では製造装置事業が収益の中心になりつつあり、将来性の点でも最も大きな期待が寄せられている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

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