[ベルリン 5日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が5日発表した4月の貿易統計によると、輸出は前月比1.2%増加した。中国経済再開で予想外の増加となった。
ロイターがまとめた市場予想は2.5%減、3月改定値は6.0%減だった。
ハウク・アウハウザー・ランペ銀行のチーフエコノミスト、アレクサンダー・クルーガー氏は「増加幅は前月の急減を補うには十分とは言えない」と述べた。
対中輸出は10.1%増。米国への輸出は4.7%増、欧州連合(EU)への輸出は4.5%増だった。
パンセオン・マクロエコノミクスのユーロ圏担当チーフエコノミスト、クラウス・ビステセン氏は「第2・四半期の純輸出は好調な滑り出しだが、GDP(国内総生産)成長率を押し上げるには十分ではないだろう。第4・四半期と第1・四半期の成長率を支えた純輸出好転の勢いは衰えている」と語った。
4月の輸入は前月比1.7%減。市場予想は1.0%減だった。
4月の貿易収支は184億ユーロ(196億8000万ドル)の黒字。前月は149億ユーロの黒字だった。
4月の輸出増にもかかわらず、先行きは依然不透明だ。
INGのマクロ担当グローバル責任者、カルステン・ブルゼスキ氏は「中国向け輸出の一時的な急増要因はそのうち薄れる」と指摘。地政学的な環境の変化も要因とした。
財の輸出額は中国向けが85億ユーロ、米国向けが131億ユーロだった。
ベレンベルクのチーフエコノミスト、ホルガー・シュミーディング氏は「米国経済は減速しており、輸出に影響が出るだろう」と述べた。