[ベルリン 7日 ロイター] - ドイツのIFO経済研究所は7日、独経済が今年0.4%のマイナス成長になるとの見通しを示し、6月の予想を据え置いた。
IFOの予測部門責任者ティモ・ボルマーショイザー氏は「これまでの予想に反して、今年の後半は回復が見込めないだろう」と述べた。
にもかかわらずIFOが予想を据え置いたのは、連邦統計局が第1・四半期の国内総生産(GDP)を0.3%減から0.1%減に修正したことが理由と説明した。
「この修正がなければ今年の経済成長率予測は0.3%ポイント引き下げ、マイナス0.7%としていた」と述べた。
ドイツは今年のマイナス成長が見込まれている唯一の主要経済国。ボルマーショイザー氏は「現在のIFO予測ランキングではドイツは最悪の位置にある」とした。同国がパンデミック後のサービス業ブームの恩恵を、サービス業が大きな役割を果たしている他の欧州諸国ほど受けていないためだという。
同氏は「世界経済を直撃している経済ショックは、ドイツにとり特に重要な産業に影響を与えるため、とりわけ打撃となる可能性がある」と指摘した。
IFOは、第3・四半期が0.2%のマイナス成長になると予想するが、ボルマーショイザー氏は「劇的な景気後退は予想していない」と述べた。
最新の予想では2024年成長率が前回予想から0.1ポイント引き下げられ1.4%、25年は1.2%。
明るい材料は個人消費で、今年後半には徐々に回復していくとの見通しを示した。
ボルマーショイザー氏は「家計の可処分所得の増加は引き続き力強い」とし、インフレ率が徐々に低下し購買力が増すだろうと述べた。
インフレ率は昨年の6.9%から今年は6.0%へ緩やかに減速し、24年に2.6%、25年は1.9%になると見込んだ。
ボルマーショイザー氏は、インフレ率の低下を受けて欧州中央銀行(ECB)が来年末から利下げを開始すると予想する。
今年の失業者数は259万人、来年は258万人と高止まりするが、25年は243万人へ減少すると予想した。