Takahiko Wada
[東京 20日 ロイター] - 日銀が20日に発表した4―6月期の資金循環統計によると、6月末の国庫短期証券を除く国債・財投債の日銀の保有比率は53.24%だった。過去最高となった3月末の53.34%をわずかに下回ったが、4月に植田和男氏が日銀総裁に就任した後も日銀はイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)を継続、保有比率が50%を上回る状況が続いている。
国庫短期証券を除く国債・財投債について、日銀の保有比率が前回を下回るのは2021年12月末以来6四半期ぶり。
国庫短期証券を含むベースでは、日銀の保有は7.6%増の584兆円となり、残高に占める比率は47.1%。一方、海外の保有は4.2%増の181兆円で残高に占める比率は14.6%。保有比率は3月末の14.5%をわずかに上回った。
家計が保有する金融資産残高は前年比4.6%増の2115兆円で、2005年3月以降で最高を更新した。前年対比の株高で株式や投資信託が過去最高となった。
企業の金融資産残高も8.0%増の1416兆円で過去最高を更新。対外直接投資は13.4%増の223兆円でこちらも過去最高。M&A(企業の合併・買収)の増加に加え、円安も残高増につながった。
(和田崇彦)