[チューリヒ 29日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行)は29日、第2・四半期に403億スイスフラン(442億7000万ドル)相当の外貨を売却したと発表した。
2020年に四半期ベースの外国為替取引の公表を開始して以来最大規模となった。第1・四半期は322億フランだった。
スイス中銀はフラン相場を押し上げ輸入価格を引き下げることでインフレの抑制を狙っている。
しかしアナリストはスイス中銀が数カ月中に外貨の売却を縮小すると予想している。
チューリヒ州立銀行のストラテジスト、エリアス・ハフナー氏は、対ユーロとドルでスイスフランは高値圏にあるため、これ以上の外貨売却の必要性は低いと指摘した。
「しかしフランが明らかに弱くなった場合、中銀はバランスシートをさらに縮小することでこれに対抗する用意がある。フランの下値を抑えることができる」と述べた。
UBSのアナリスト、アレッサンドロ・ビー氏は、フランの上昇を食い止めるために中銀が外貨購入に転じる可能性があるとの見方を示した。
「スイスの製造業は最近圧力を受けており、フランがさらに上昇すれば逆風が一段と強まるのは間違いない」と述べた。