[ロンドン 15日 ロイター] - S&Pグローバルがまとめた12月のユーロ圏のHCOB総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は47.0と、前月の47.6から予想外に低下した。域内経済が景気後退に陥っていることはほぼ確実とみられる。
ロイター調査では48.0に上昇すると見込まれていた。景況拡大・悪化の分かれ目となる50を7カ月連続で下回った。
ハンブルク商業銀行のチーフエコノミスト、サイラス・デラルビア氏は「第3・四半期以降、ユーロ圏が景気後退に陥っている可能性はかなり高い」と述べた。
キャピタル・エコノミクスのアンドリュー・ケンガム氏も、総合PMIは、ユーロ圏がリセッションであるというさらなる材料を提供したと述べた。
2カ月連続で人員が削減され、企業が近いうちに状況が大幅に改善すると見込んでいないことを示唆。雇用指数は49.6と3年ぶりの低水準で、11月の49.7から若干低下した。
サービス業PMIは48.7から48.1に低下。市場は49.0に上昇すると予想していた。
借入コストの上昇を背景に需要が再び減少。新規ビジネス指数は46.7から46.6に低下した。
コメルツバンクのクリストフ・ワイル氏は「欧州中央銀行(ECB)の予想に反し、第4・四半期も景気縮小が続くというわれわれの予測を確認するものだ」と述べた。
製造業PMIは44.2と、市場予想の44.6を下回り、18カ月連続で50を下回った。
生産指数は44.6から44.1に低下した。
ただ、今後1年については楽観的で、将来生産指数は53.3から55.6に上昇。5月以来の高水準となった。
ドイツとフランスも予想に反して景況感がさらに悪化した。
欧州中央銀行(ECB)は前日、ユーロ圏の今年と来年の成長率予想を下方修正した。ドイツ連邦銀行(中央銀行)は15日、国内総生産(GDP)が今年は0.1%縮小し、来年は0.4%の拡大にとどまるとする見通しを示した。