[30日 ロイター] - 米グーグルの持ち株会社アルファベットが30日に発表した第4・四半期(2023年10─12月)決算は、広告事業の売上高が市場予想を下回った。また、人工知能(AI)関連サービスに注力する中、データセンターへの投資が今年急増するとの見通しを示した。
株価は引け後に6%下落した。
第4・四半期の広告事業売上高は655億ドルと前年同期の590億ドルから増加した。ただ、アナリスト予想平均の661億ドルには届かなかった。
インベスティング・ドット・コムのシニアアナリスト、トーマス・モンテイロ氏は予想を下回る広告売上高について、世界中の企業が主要中央銀行による利下げペースになお不透明感を抱いていることを示していると分析した。
同期の売上高は863億ドル。LSEGがまとめた市場予想は853億ドルだった。
クラウドコンピューティング事業の売上高は、前年比25.7%増の92億ドルだった。AI関連サービスが寄与し、アナリスト予想(89億ドル)を若干上回った。ただ、伸びは前四半期から加速したものの、前年同期の32%からは鈍化。競合するマイクロソフトのクラウドサービス「アジュール」の増収率(30%)を下回った。
AI分野に注力するためにはサーバーやデータセンター、研究開発への多額の投資が必要になる。ルース・ポラット最高財務責任者(CFO)はアナリスト説明会で、今年の設備投資は2023年よりもかなり増えると述べた。
テクノロジー大手は優先度の低いプロジェクトの縮小や人員削減でコスト削減を進めている。ポラット氏は第1・四半期に退職関連費用として7億ドルを見込んでいると説明した。
グーグルはクラウドで先行するマイクロソフトとアマゾンと顧客獲得を競っており、自社生成AIモデル「Gemini(ジェミニ)」を利用した自動応答システム(チャットボット)「バード」を導入したほか、対話型AIを開発する米新興アンスロピックに最大20億ドルを投資することで合意。またジェミニの機能を広告主にも提供している。
サンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)はアナリスト説明会で、アルファベットの事業全体でAIの活用が進んでいると強調した。
音声アシスタントの「グーグル・アシスタント」について、今後AIはエージェントのように振る舞うことができるようになるとし、質問に対する回答以上のことをユーザーに提供できるようになると説明した。
また、生成AIがクラウド事業の成長を後押ししていると述べた。