Yoshifumi Takemoto
[東京 31日 ロイター] - 経済産業省が31日公表した2023年12月の鉱工業生産指数(速報)は前月比1.8%上昇し、2カ月ぶりのプラスだった。コンベヤや半導体製造装置などの増産が寄与した。ロイターが集計した民間予測の中央値は前月比2.4%上昇でこれを下回った。
基調判断は「一進一退」を据え置いた。
<ダイハツ停止影響注視、能登地震は現時点限定的>
コンベヤなどの汎用・業務用機械、乳液・化粧水などの化学工業、半導体製造装置などの生産用機械工業の生産が増えた。乗用車用タイヤや炭素繊維などその他工業は減産した。コンベヤは国内外からの受注が堅調だった。半導体製造装置は中国・韓国・台湾向け輸出が復活しつつある。
財別の寄与度で12月の指数を押し上げた主な品目は、普通乗用車、半導体製造装置、コンベヤ、航空機用機体部品など。反対に押し下げたのは合成洗剤や日焼け止めなど。
企業の生産計画に基づく予測指数は1月が前月比6.2%低下、2月が同2.2%上昇。予測指数の上振れ傾向を補正した試算では1月は前月比10.5%低下となった。
1月の減産予測にはダイハツ工業の生産停止の影響が含まれており、「世界経済の動向と、稼働停止の影響に注視必要」と経産省ではみている。
能登半島地震の生産予測への影響は、大手メーカーが現地から調達している部品の代替確保などで現時点では限定的としている。
*経産省の発表資料は以下のURLでご覧ください。
http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/index.html
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(竹本能文)