[上海 31日 ロイター] - 中国の国債相場は根強い追加金融緩和観測で31日も堅調となり、利回りが一段と低下した。
トレーダーによると、投資家が利回り低下を受けて既存のショートポジションを買い戻し、さらにロングポジションを積もうとしている。
長期金利の指標となる10年債利回りは約2ベーシスポイント(bp)低下の2.4275%と、2002年6月18日以来の低水準を更新した。
30年債利回りも2.645%まで低下し、過去最低を更新した。
国債先物10年物と30年物は取引開始時に過去最高値を更新。その後は上げ幅を幾分縮小した。
DBSのシニアエコノミスト、ラディカ・ラオ氏は「厳しい経済状況の中、追加緩和の可能性を考え、10年物国債のロングポジションを維持している」と述べた。
中国国家統計局が31日発表した1月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は景況拡大・縮小の分かれ目となる50を4カ月連続で下回った。
ピンポイント・アセット・マネジメントのチーフエコノミスト、張智威氏は「デフレ圧力が続く中、経済の勢いは依然として弱い」と指摘。「実質金利が高すぎるため、民間投資が抑制されている。内需押し上げに向け、中国人民銀行(中央銀行)は今年前半に利下げを行うと予想する」と話した。
債券トレーダーは10年債利回りが1年物中期貸出制度(MLF)の金利を下回ったことから人民銀がMLF融資のロールオーバーを予定する2月半ばにも金利を引き下げるとみている。