[メキシコ市 30日 ロイター] - 米州開発銀行(IDB)が30日公表したリポートによると、中南米・カリブ諸国の輸出は2021─22年にかけて力強い伸びを示してきたが、23年は減少に転じ、今後さらに落ち込む恐れがあるという。
23年の輸出は前年比2.2%減。重要な原材料の価格下落と輸出数量の目減りが響いた。21年と22年の輸出はそれぞれ28%増、17%増だった。
IDBのエコノミスト、パオロ・ジョルダノ氏は「23年の中南米・カリブ諸国の輸出は、新型コロナウイルスのパンデミックからの回復で拡大したそれまでの2年を経て、縮小局面に入った」と指摘した。
リポートは、関連指標からこうした流れが今年前半に変化する様子はうかがえないとの見解も示した。
これらの地域から輸出される主要コモディティーの大半は22年比で価格が下がり、特に下落率が大きかったのは原油の16.7%、大豆の8.6%、銅の3.6%などだった。
ただメキシコだけは、隣の米国向け製品出荷が増えたため、輸出全体も約3%の伸びとなった。