David Milliken Suban Abdulla
[ロンドン 12日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が12日発表した2023年11月─24年1月の賃金はボーナスを除くベースで前年同期比6.1%上昇と、22年10月以来の低い伸びとなった。
市場予想は23年10─12月と変わらずの6.2%上昇だった。
インフレ率が鈍化しているため、実質ベースの賃金上昇率は前年比2.0%と、21年9月以来の高水準。
失業率は3.8%から3.9%に予想外の小幅上昇。イングランド銀行(英中央銀行)のインフレに対する懸念が若干緩和する可能性がある。23年10─12月は低下していた。
統計発表後、ポンドは対ドル・対ユーロで下落した。
KPMG・UKのチーフエコノミスト、ヤエル・セルフィン氏は「今日の統計は金融政策を大きく変えるものではなさそうだ。特に賃金上昇率は依然として高く、根強い物価圧力につながるとの懸念は払拭されていない」と指摘。
その上で「労働市場は今後数カ月で軟化するとみられる。それに伴い賃金上昇の勢いが鈍り、夏以降の利下げ観測が高まるだろう」と述べた。
変動が激しいボーナスを含む賃金は5.8%上昇から5.6%上昇に鈍化。予想以上の鈍化で、22年5─7月以来の低い伸びとなった。
23年12月─24年2月の求人件数は9─11月比で4万3000件減と、20回連続の減少を記録。前年比で22万4000万件減の90万8000件だった。