[ロンドン 8日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は7日、3月末時点の金保有高が前月比で16万トロイオンス増えたことを明らかにした。公的部門の買いが最近の金価格の上昇を支えたとの見方を裏付ける結果となった。
金現物は3月に9.3%上昇。月間ベースで2020年7月以来の大幅な上昇を記録した。過去7営業日連続で最高値を更新している。
国際調査機関ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の欧州・中東・アフリカ担当シニアアナリスト、クリシャン・ゴポール氏はロイターに「中国は17カ月連続で金準備を増やしている。複数の中銀が引き続き金の価値を認めているとのわれわれの見解を裏付けるものだ」と述べた。
人民銀行の7日の発表によると、3月末時点の金保有高は7274万トロイオンス。2月末時点の7258万オンスを上回った。ドル建てでは1610億7000万ドルで、2月末の1486億4000万ドルから増加した。
ゴポール氏によると、世界の中銀の金需要は2年前から高まっており、今年も積極的な金の購入が見込まれる。中国の他、トルコ、インド、カザフスタン、一部の東欧諸国が今年、金を購入している。
WGCによると、人民銀行は昨年、差し引きで723万オンス(224.9トン)の金を購入。公的部門で最大の買い手となった。昨年の中国の純購入量は単年としては少なくとも1977年以降で最大だった。
世界の中銀による昨年の純購入量は1037.4トン。記録的な高水準だった22年から4%減少した。WGCは1月、今年の純購入量がさらに200トン減る可能性があると指摘している。