来週のドル・円は上値の重い状態が続くことになりそうだ。
日本銀行が金融政策の現状維持を決めたことでドル売り・円買いが強まり、4月29日のアジア市場でドルは一時106円91銭まで下落した。
市場関係者の間では1ドル=105円レベルが当面の下値目途になるとの見方が多いようだが、5月6日に発表される米4月雇用統計は、ドル・円相場の当面の動向を左右する注目材料になりそうだ。
3月実績は、失業率5.0%、非農業部門雇用者数は前月比+21.5万人だった。
4月の非農業部門雇用者数は前月比+20.0万人、失業率は5.0%と予想されている。
4月の米雇用統計が予想通りならば、6月利上げへの期待はやや高まるものとみられる。
予想を下回った場合、6月追加利上げ観測は後退し、1ドル=105円レベルを意識した相場展開になる可能性がある。
ただし、円高進行の場合、日銀は6月15-16日の金融政策決定会合で追加の金融緩和策を導入することが予想される。
また、急激な円高・米ドル安の進行は日米の経済ファンダメンタルズに合致しないとの理由で、日本政府は断固たる措置(市場介入)を講じると明言する可能性もある。
ドルの上値は当面重いままとみられるが、1ドル=105円を継続的に下回る可能性は低いとみられる。
・予想レンジ:105.00円-108.50円 ○主な経済指標の発表予定 ・5月2日(月):(米)4月ISM製造業景況指数(予想:51.5、3月:51.8) ・5月4日(水):(米)4月ADP雇用統計(予想:前月比+19.8万人、3月:+20.0万人) ・5月4日(水):(米)3月貿易収支(予想:-460億ドル、2月:-471億ドル) ・5月4日(水):(米)4月ISM非製造業景況指数(予想:54.8、3月:54.5) ・5月6日(金):(米)4月雇用統計(予想:非農業部門雇用者数:+20.0万人、失業率:5.0%、3月:+21.5万人/5.0%)