[ブリュッセル 4日 ロイター] - 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会のベステアー委員(競争政策担当)は4日、新型コロナウイルス感染拡大で影響を受けた企業に対するドイツの支援策は、欧州全体のけん引になる可能性があるとの見方を示した。
欧州委がこれまでに承認した総額1兆9000億ユーロの加盟国による政府支援のうち、52%がドイツのもの。これに対し、フランスとイタリアの割合はそれぞれ17%程度でしかない。
ベステアー委員はテレビ会議方式で実施された欧州議会の公聴会で、ドイツのこうした支援体制には波及効果があるとし、「ある程度けん引役として機能するため、ドイツがこうしたことを行うのは重要だと考えている」と述べた。
その上で「現在の枠組みの下では、景気支援を実施する権利が全ての加盟国に平等に与えられている」としながらも、「バズーカ砲を利用できる国もあれば、小石などを飛ばすぱちんこのような武器しか使えない国もある」と述べ、全ての加盟国がドイツのような財政力を持っているとは限らないと指摘。欧州委の中期の予算の枠組みである「多年次財政枠組み」(MFF)で堅固な欧州の回復計画を準備することでこうした非対称に対応できるとの考えを示した。