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東京外為市場・午後3時=ドル103円後半で弱含み、対ユーロなどでのドル安の余波

発行済 2014-08-29 10:06
東京外為市場・午後3時=ドル103円後半で弱含み、対ユーロなどでのドル安の余波
[東京 28日 ロイター] -   
         ドル/円 JPY=    ユーロ/ドル EUR=  ユーロ/円 EURJPY=
午後3時現在 103.77/79 1.3204/08 137.03/07
  正午現在   103.74/76 1.3209/13 137.04/08
  午前9時現在 103.87/89 1.3190/94 137.01/05
  NY午後5時 103.87/89 1.3192/94 137.02/06

午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ小幅にドル安/円
高の103円後半。売買を促す新規材料が乏しい中、対ユーロなどでドル安が進んだこと
を受けて、対円でも軟調な地合いとなった。

ドル/円は朝方、日経平均株価が前日比マイナス圏で始まると弱含み、仲値前後には
さらに売り圧力が強まった。短期筋の間では、ユーロやNZドルなど、円以外の通貨に対
してドルロングを圧縮する動きが目立った。ドル/円はその「余波」(邦銀)を受けて弱
含みの展開となり、一時103.68円まで下落した。
 
ユーロでは、追加緩和への期待からショートポジションが膨らんでおり、来週の欧州
中央銀行(ECB)理事会を控えいったんポジションを整理する動きが強まったという。
ドル/円では103.90─103.10円で断続的に損失確定の売りオーダーが並
んでいたが、対他通貨でのドル売りが広がり、「(ドル/円の)ストップロスがあぶり出
された」(金融機関)という。輸出企業のドル売りもあったものの、「下押し圧力を強め
るほどではなかった」(国内金融機関)という。

<アベノミクスの持続可能性にリスク要因>

金融・証券市場は昨年来、アベノミクスによる株高/円安効果に便乗してきたが、こ
こに来て、アベノミクスの持続可能性を低下させうる政治的な動きが出始めている。
時事通信によれば、安倍晋三首相は、9月3日の内閣改造・自民党役員人事をめぐっ
て29日に自民党の石破茂幹事長と会談する。石破氏が28日、周辺に明らかにした。首
相は、石破氏を新設する安全保障法担当相に起用したい考えだったが、石破氏が固辞して
いるため、別の閣僚ポストを提示して協力を求めるとみられる。
「自民党の長老の中には反安倍の動きがあり、彼らが石破氏を取り込んで、反安倍を
画策しようとしているようだ」(エコノミスト)という。
この動きを封じ込めるために、安倍首相は石破氏を閣内に取り込みたいもようで、今
回は地方創生と総務相のポストを用意しているとの見方もある。
「石破氏が逃げ切れば、党内分裂、反安倍の動きが高まる可能性があり、アベノミク
スどころではなくなる」(同)と警戒する声もあがっている。

<ユーロ強含み、追加緩和観測がいったん後退>

ユーロ/ドルは、朝方の1.31ドル後半から1.32ドル前半まで強含んだ。
ユーロは、前週の米ジャクソンホールでのドラギ欧州中銀(ECB)総裁のハト派発
言を受けて追加緩和への期待が高まり弱含んでいたが、前日の海外時間に、来週開催のE
CB理事会で新たな政策が打ち出される可能性は低いと報じられると買い戻された。

ソシエテ・ジェネラル銀行の鈴木恭輔為替資金営業部長は「(追加緩和への期待が)
思惑先行だったことが確認されたということだろう。ECBで新しいコメントが出ないと
(ユーロの)下を責めるのは難しい」と話した。
ただ、ECBによる今後の量的緩和(QE)の可能性や、米国で早期利上げ観測が高
まっているドルに対するユーロの相対的な弱さは依然、意識されやすいとして「長めのス
パンで、ユーロのダウントレンドは変わらないだろう」と鈴木氏は指摘していた。

「欧州の景気指標が芳しくないこともあり、市場はQEを織り込みつつあるが、景気
がさらに悪化し、QEをやらざるを得ない状況になれば、もう一段のユーロ売りとなるだ
ろう」とFXプライムbyGMOの常務取締役、上田眞理人氏は言う。
他方、ユーロを買い戻すのは、テクニカルなショートの巻き戻し、または、米国サイ
ドの要因でドル売りの流れが起きた場合に限られると同氏はみている。

ロイターは27日、関係筋の話として、ECBは29日発表の8月のインフレ統計
でユーロ圏がデフレにかなり近付いている兆候が示されない限り、来週開催の理事会で新
たな政策を打ち出す可能性は低い、と報じた。

<ドル調達コストがじわり上昇>

短期金融市場では、ドルの調達コストがじわりと上昇してきた。
ドル/円ベーシススワップ5年物 JPYCBS5Y= では、ドルディスカウントの48ベー
シスポイント(bp)と、7月半ばに付けた39bpから拡大し、ドル資金の調達コスト
に上昇圧力がかかっている。
ベーシススワップは、スタート時とエンド時に異なる通貨を交換し、期中とエンド時
に変動金利を交換する取引で、本邦投資家が外債投資する際の外貨資金調達にも活用され
るものだ。
市場関係者によれば、ドル調達コストの上昇は、ドル供給/円調達サイドの海外勢の
円調達ニーズが低下していることが主因だという。



(森佳子)
((※ yoshiko.mori@thomsonreuters.com)(03-6441-1877)(RM:
yoshiko.mori.thomsonreuters.com@reuters.net))

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