中国本土では炭そ菌が今年初めから流行しており、少なくとも100人余りが感染しているという。
ロシアのメディアによると、ロシアは中国からの出入国の監視を強化している。
ロシア極東ビロビジャンの地元紙によると、内モンゴルと黒龍江省では、少なくとも106人が炭そ菌の感染により治療を受けていると報じた。
中国共産党政府は、流行に関する全国的な警告を発表していない。
ロシア極東ユダヤ自治州の防疫担当部長は、中国から生きたままで輸送される家畜はないが、中国輸入の精肉製品には最も厳格な防疫検査を行っているという。
ロシアの獣医、家畜防疫当局や税関もまた、中国からロシアに蔓延することを防ぐため、飼料を含む畜産関係の輸入品に対して特別検査を行っている。
同消費者保護と公衆衛生監督局は、中国の炭そ菌の流行発生で死亡例もあると警告を発している。
日本の農業食品産業技術総合研究機構・動物衛生研究所によると、炭そ菌感染症は、土壌菌である炭そ菌によって引き起こされる人獣共通感染症。
牛、馬、羊などの草食動物は、早期に急性敗血症で死亡する。
ヒト、豚や犬は比較的抵抗性がある。
日本では、1983年に炭そ菌による死者が1人、1994年の感染者2人をそれぞれ最後に報告されていない。
ヒトへの感染の場合、9割の患者は皮膚炭そで、水泡から黒色のかさぶたになる。
8割は自然治癒するが、2割はリンパ節や血液をめぐって敗血症になる恐れがある。
主に畜産業や獣医など動物に触れる機会の多い業界関係者の感染例が報告されている。
人から人へ感染したという症例がこれまでないものの、皮膚炭そからは傷口からヒトに感染する危険性もあ
ヒトの炭そ菌感染例は今年春から中国本土で報告されている。
4月11日から13日にかけて寧夏海原県の村で皮膚炭そ発生が報告され、1人が死亡した。
当局は村の家畜市場を閉鎖し、炭そ菌の流行を防いでいると発表したが、ネットでは、近隣地域にも感染が広がっているとの未確認情報が出回っている。
国営・中国新聞によると8月初旬には黒龍江省佳木斯市で14人の感染が確認された。
現地住民によると、感染した養豚業従事者の手足には水泡ができており、皮膚炭そと考えられている。
また、8月14日にも内モンゴル自治区通遼科尓沁区大林鎮勝利村で、牛からヒトへの皮膚炭そ感染が確認されたという。
同村では牛が29頭炭そ菌の感染により死亡し、焼却処分された。
(編集・佐渡道世)
【ニュース提供・大紀元】