日経平均<.N225>
前場終値 9745.69 (+96.71)
寄り付き 9767.91
安値/高値 9734.66─9780.86
出来高(万株) 72300
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[東京 29日 ロイター] 前場の東京株式市場で、日経平均は続伸した。28日の
米株高や円安推移を受けて主力輸出株中心に幅広く買いが先行。海外投資家による買いや
TOPIX先物買いが観測され、日経平均は5月12日以来約7週間ぶりの高値水準を回
復した。ただギリシャ債務問題や米景気減速などに対する警戒感は根強く買い一巡後は伸
び悩む展開。薄商いが続いており、上値を買う材料に乏しいと指摘されている。
東証1部騰落数は、値上がり1153銘柄に対し値下がり292銘柄、変わらずが
191銘柄だった。東証1部売買代金は4706億円。
28日の米国株式相場はギリシャ債務危機への対処を巡る楽観的な見方が支援材料とな
り続伸。外為市場ではドル/円、ユーロ/円とも円安方向に振れており、序盤の東京市場
では主力輸出株中心に幅広く買いが先行した。欧州勢やアジア勢によるバスケット買いや
TOPIX先物への大口買いが観測され、日経平均は約7週間ぶりの高値水準を回復。
TOPIXも5月19日以来約6週間ぶりの高値水準となった。
ただ朝方の買い一巡後は上値の重い展開。SMBCフレンド証券投資情報部部長の中西
文行氏は「ギリシャの緊縮財政法案が議会で可決され、債務再編リスクが後退するという
楽観シナリオを織り込む動きだ。量的緩和第2弾(QE2)終了後に日米金利差が拡大す
れば円安に進むとの期待感もある」と指摘する一方、「しかし、ギリシャ問題については
潜在的なリスクの先送りに過ぎないとの見方もある。今後の米経済指標が弱ければドル安
の懸念も強くなる。9800円以上は戻り売りが無難だろう」との見方を示した。
経済産業省が29日発表した5月鉱工業生産指数速報(2005年=100、季節調整
済み)は前月比5.7%上昇の88.8となり、2カ月連続の上昇となった。ロイターの
事前予測調査では前月比5.5%上昇と予想されていたが、発表数値は予想を上回った。
市場では「鉱工業生産は良かったが予想の範囲内で、これをもって日本株が上値をとるこ
とはできない」(立花証券・執行役員の平野憲一氏)との声が出ていた。
個別銘柄では電力株が軒並み高。29日付日本経済新聞で、自民党は政府の原発賠償支
援法案について、東京電力<9501.T>以外の電力会社に福島第1原子力発電所事故の賠償支
援を求めないよう修正を求める方針を固めたと報じられ、材料視されたという。
またJT<2914.T>が続伸。同社は28日、国内たばこ商品の全73銘柄の出荷再開の時
期を、従来の8月上旬から7月18日に前倒しすると発表した。
(ロイターニュース 杉山容俊)