日経平均<.N225> 日経平均先物9月限<0#2JNIU1:>
終値 9797.26 (+148.28) 終値 9790 (+140)
寄り付き 9767.91 寄り付き 9770
安値/高値 9734.66─9797.26 安値/高値 9730─9800
出来高(万株) 167003 出来高(単位) 33817
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[東京 29日 ロイター] 東京株式市場で日経平均は続伸した。28日の米株高や
円安推移を受けて、主力輸出株を中心に幅広く買いが先行。海外投資家による買いや
TOPIX先物買いが観測され、日経平均は5月12日以来、約7週間ぶりの高値水準を
回復した。ギリシャ債務問題や米景気減速などに対する警戒感は根強いものの、個別銘柄
を物色する動きで指数も高値圏でもみあった。後場はギリシャの緊縮財政策に関する議会
採決を前に、様子見ムードが強まった。
東証1部騰落数は値上がり1357銘柄に対し値下がり198銘柄、変わらずが105
銘柄。東証1部の売買代金は1兆1365億円。
28日の米国株式相場は、ギリシャ債務危機への対処をめぐる楽観的見方が支援材料と
なり、続伸。外為市場ではドル/円、クロス円とも円安方向に振れており、序盤の東京市
場では主力輸出株中心に幅広く買いが先行した。欧州勢やアジア勢によるバスケット買い
やTOPIX先物への大口買いが観測され、日経平均は9700円後半と約7週間ぶりの
高値水準を回復。TOPIXも5月19日以来、約6週間ぶりの高値水準となった。
ただ、SMBCフレンド証券投資情報部部長の中西文行氏は、ギリシャ問題の楽観シナ
リオを織り込む動きとする一方、「ギリシャ問題については潜在的なリスクの先送りにす
ぎないとの見方もある。今後の米経済指標が弱ければ、ドル安の懸念も強くなる。
9800円以上は戻り売りが無難」との見方を示した。寄り前に発表された5月鉱工業生
産指数速報は予想を上回ったものの、市場では「鉱工業生産は良かったが予想の範囲内
で、これをもって日本株が上値を取ることはできない」(立花証券・執行役員の平野憲一
氏)との声が出ていた。
後場はギリシャの緊縮財政策に対する議会採決を控え、小動き。ギリシャでは、反対姿
勢を示していた与党の社会主義運動の3議員のうち1人が賛成に回ると表明、可決される
可能性が高まっている。法案の採決は2回に分けて29日と30日に予定されている。
一次法案の審議は29日午前10時(0700GMT、日本時間午後4時)から始まる。
採決の時間は未定だが、現地時間の午後になる見通し。これに関連し、ヘッジファンドは
日本株に関して下値警戒感を緩めていないと、ある株式トレーダーは指摘している。
個別銘柄では九州電力<9508.T>が強含むなど電力株が軒並み高となった。共同通信によ
ると、海江田万里経済産業相は29日午前、定期検査で停止中の九州電力玄海原発2、3
号機の再稼働に理解を求めるため佐賀県玄海町を訪問し、岸本英雄町長らと会談した。経
産相の要請を受け、岸本町長は再開容認を近く九電側に伝える考えを表明した。
一方、クリーク・アンド・リバー社<4763.OS>が大幅高。29日午後に発表した
2011年8月中間期連結業績予想の上方修正を好感した。
(ロイターニュース 吉池 威)