日経平均<.N225>
前場終値 9796.14 (-1.12)
寄り付き 9838.09
安値/高値 9785.89─9845.69
出来高(万株) 74682
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[東京 30日 ロイター] 前場の東京株式市場で、日経平均は3日ぶりに小反落し
た。ギリシャ議会による緊縮財政法案の可決を好感した米株高を受け序盤は買いが先行。
アジア勢によるバスケット買い観測もあり、日経平均は一時5月12日以来の9800円
乗せとなった。ただ前日までの上昇の反動などから戻り売りに押され下げ転換。7月1日
に海外経済指標の発表を控え様子見気分も強いと指摘されている。
東証1部騰落数は、値上がり676銘柄に対し値下がり772銘柄、変わらずが211
銘柄だった。東証1部売買代金は5110億円。
ギリシャ議会が29日、歳出削減や増税、国有資産売却を盛り込んだ5カ年の中期財政
再建計画法案を賛成155票、反対138票で可決したことを好感し、29日の米国株式
相場は3日続伸。これを受け、東京市場も序盤は買いが先行した。主力株にアジア勢から
のバスケット買いも観測され、日経平均は一時、5月12日以来となる9800円台を回
復した。
ただ、買い一巡後は戻り売りや利益確定売りに押され小幅安に転じた。前日までの上昇
の反動が出やすいほか、ギリシャの緊縮財政措置の実現には依然不透明感が強く、上値を
追いにくいという。目先は200日移動平均線(9859円25銭=29日)が上値抵抗
線として意識されており、上抜くには材料不足とみられている。
市場では「ギリシャ問題はいったん後退したが、7月1日の米6月ISM製造業指数、
中国6月製造業PMIなどの指標を控えて様子見気分も強くなってきた」(大手証券エク
イティ部)との声があった。
一方、TOPIXは小幅ながら3日続伸した。大和証券・投資情報部次長の西村由美氏
は「短いタームでみると日本株はアウトパフォームしていただけに、一服感が出ている」
としたうえで「ただし出遅れ修正余地のある電力などは、業種別でみてプラスに留まって
いる」と指摘。またドイツ証券が投資評価を「バイ」、目標株価を500円に引き上げた
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>など銀行株が強含み、TOPIXはプラス
圏を維持した。
個別銘柄ではラウンドワン<4680.T>の上昇が目立った。前場の売買代金トップとなり6
月23日の年初来高値603円を更新。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が目標株価
を620円から1100円に引き上げたことが材料視された。2012年3月期の同証券
営業利益予想が4期ぶりに増益転換し、ピーク利益を更新するなど新しい利益成長ステー
ジに入ることを評価している。投資判断は「アウトパフォーム」継続。
(ロイターニュース 杉山容俊)