ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は、同国の指導者に「新たなエネルギー」が必要だとして、対ロシア戦争開始以来最大規模とされる政府再編に着手した。
著名なドミトロ・クレバ外相を含む6人の閣僚が辞表を提出し、ウクライナ議会はすでにそのうちの4人を受理している。
欧州統合を担当する副首相、武器生産を担当する戦略産業相、その他2人の閣僚が辞任した。ゼレンスキー大統領は、アイルランドのサイモン・ハリス首相とともにメディアを前に演説し、これらの改革はさまざまな部門にわたって国家の能力を強化することを目的としていると強調した。
議会は木曜日にクレバ氏の辞任を審議することになっている。43歳のクレバ氏は国際舞台で著名な人物で、流暢な英語と、ウクライナへの軍事的・政治的支援を得るために世界の指導者たちと積極的に関わることで知られている。
政治アナリストは、この政府リセットは以前から計画段階にあったが、大統領が夏の間、西側パートナーからの軍事・財政援助の確保に重点を置いていたために遅れたと指摘している。
キエフ在住の政治アナリスト、ヴォロディミル・フェセンコ氏は、今回の大改革は、政府に新しい活力とアイデアを注入するというゼレンスキー氏のアプローチに沿ったものだと指摘した。
クレバの解任は予想されるものの、外交政策に大きな変化はないだろう。ゼレンスキーは今日、新外相候補を提案する予定で、現第一副外相のアンドリー・シビハが有力候補となっている。
クレムリンは、このようなウクライナ政府内部の変化が和平交渉に影響を与えることはないと表明しているが、現在の紛争当事者の目的との距離を考えると、そのような話し合いはありそうにない。
西側の同盟国からの支持を強化し、ロシアとの対立の勢いを取り戻すことを目指すゼレンスキーにとって、今後数カ月は極めて重要だ。彼は今月末に渡米し、ジョー・バイデン大統領に「勝利プラン」を提示する予定だ。
一方、ロシア軍がウクライナ東部に進軍し、ウクライナ軍がロシアのクルスク地方で作戦を展開するなど、戦争は続いている。最近の両軍の攻撃激化は、敵対行為の著しいエスカレーションを示している。
ゼレンスキー新内閣の人材は限られており、退任した閣僚の再任を予想するアナリストもいる。国内兵器生産の増加を監督してきたオレクサンドル・カミシン戦略産業相は、新たな職務ではあるが防衛部門に留まる意向を示した。
ウクライナ議会は木曜日に辞任と人事に関する更なる議論を進める予定で、現在21の閣僚ポストのうち10が空席となっている。
この記事はロイターが寄稿した。
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