[19日 ロイター] - 米国防当局者は19日、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」がウクライナでの戦闘に送り込む兵士として、1500人を超える有罪判決を受けた受刑者を採用しようとしていると明らかにした。ただ、多くは拒否しているとしている。
米当局者は匿名を条件に記者団に対し「われわれの情報に基づくと、ワグネルはウクライナで大きな損失を被っている。特に若く経験の浅い戦闘員を多く失っている」と指摘。ソーシャルメディアに最近投稿された動画には、米財務省と欧州連合(EU)がワグネルに関与しているとみているエフゲニー・プリゴジン氏が受刑者を採用しようとしている様子が映っていると述べた。
動画でプリゴジン氏は、ロシア人だけでなく、タジキスタン人、ベラルーシ人、アルメニア人の受刑者も採用しようとしているという。
ロイターは独自にソーシャルメディアに投稿された動画の真偽を確認できていない。
米国防総省は先月、ロシア軍兵士の死傷者数は侵攻開始以降、7万─8万人に上るとの推計を発表した。
ワグネルについては、人権団体のほか、ウクライナ政府がシリアやウクライナ東部で戦争犯罪を犯したと非難。EUはワグネルがロシア政府の代理として秘密裡に活動しているとして制裁対象としている。
ただ、ロシアのプーチン大統領はワグネルはロシア政府を代表していないとし、民間軍事業者はロシアの法律を破らない限り、世界のどこででも活動する権利があるとの立場を示している。