Pavel Polityuk
[キーウ 23日 ロイター] - ウクライナの農産物生産者は新たな黒海回廊により、月に最大250万トンの食料輸出が可能になると述べた。国連などが仲介した黒海経由の穀物輸出合意からロシアが離脱した影響をほぼ相殺できると指摘した。
穀物輸出合意は7月に失効。ロシア側は、同国産穀物と肥料輸出に課された制裁措置の解除を求めていたが、これが満たされなかったと批判し、合意履行を拒否したためだ。
ウクライナはそれ以降、ロシアによる事実上の封鎖を打破するため、一時的な人道回廊を設置した。ウクライナの海運関係者によると、これまでに40隻以上の貨物船がこの回廊を航行したという。
ウクライナ最大の農業団体の幹部は、黒海経由の輸出ルートはまだ完全に機能しておらず、現在の輸出量は昨年水準を下回っていると述べた。
同幹部は22日、国営テレビに対し「われわれは、代替輸送ルートの整備を進めており、危機的な状況でない。ロシアが参画しなくても、先月は黒海経由で輸出できた」と説明した。
さらに、「新たな回廊で(毎月)200万─250万トン輸出したい。他の穀物輸送ルートと合わせた輸出量は、月に500万─550万トンに達する可能性がある」との見方を示した。
ウクライナは、ドナウ川沿いの小規模な河川港や、東欧諸国と国境を接する陸上経由でも穀物を輸出している。