[ソウル 26日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)が26日発表した第1・四半期の国内総生産(GDP)速報値は、季節調整済みで前期比0.7%増加し、伸び率は2021年第4・四半期の1.2%から鈍化した。新型コロナウイルス関連規制による民間消費への影響やインフレ加速が重しとなった。今後の見通しも、中国の景気減速で不透明感が高まっている。
前期比の伸び率は、ロイターがまとめたエコノミスト予想の0.6%は小幅に上回った。
前年比では3.1%増加し、予想の2.8%増を上回った。
HIインベストメント・アンド・セキュリティーズのエコノミスト、パク・サンヒュン氏は「国内消費はコロナ規制がほぼ解除されたため、回復する見通しだが、中国の景気減速は今四半期期の輸出と経済全般に深刻な打撃を与えるだろう」と述べた。
民間消費は0.5%減少し、ここ5四半期で最悪の数字となった。オミクロン変異株の感染拡大を防ぐための行動規制が影響した。
資本投資は4%減少し、3年ぶりの大幅減となった。建設投資も2.4%減少した。
ウクライナ戦争や米金融引き締め、中国の新型コロナ感染拡大に伴うロックダウン(都市封鎖)の影響を踏まえ、韓国中銀は5月の経済レビューで今年の成長率予想を現在の3%から下方修正すると見込まれている。
中銀の李昌ヨン(イ・チャンヨン)新総裁は先週、景気は当初予想よりも減速するとの見通しを示しており、中銀は成長支援とインフレ対策のバランスを取りながら政策運営を行うとみられる。
ロイター調査によると、22年の韓国経済成長率は2.8%、23年は2.6%と予想されている。
中銀は14日、政策金利を1.25%から25ベーシスポイント(bp)引き上げ、1.50%とした。インフレが高進する中、次期総裁の正式就任を待たず、市場予想に反して利上げに動いた。
国際通貨基金(IMF)は最近、韓国の22年成長率予測を3.0%から2.5%に下方修正する一方、インフレ予測を3.1%から4.0%に引き上げた。