[18日 ロイター] - <為替> 米連邦準備理事会(FRB)が予想通りに25ベーシスポイント(bp)の利下げを決定したものの、今後の追加緩和については明確な見通しを示さなかったことを受けドルが上昇。対円で7週間ぶり、対スイスフランでは3カ月ぶりの高値を付けた。
ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズ(ワシントン)のシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は、「FRBは世界的な向かい風から米経済を守るために追加利下げを決定した」とし、「FRBが示した新たな見通しのトーンは、世界的なリスクにもかかわらずおおむね健全だった。この結果、ドルはこのところの高値から大きく下げることはないとみられる」と述べた。
チルトン・トラストの最高投資責任者、ティム・ホラン氏は「市場が期待したよりややタカ派的な決定だった。政策決定者の中にさまざまな意見があることが確認されたと考える」と指摘した。
<債券> 国債利回りが上昇し、イールドカーブはフラット化した。米連邦準備理事会(FRB)は利下げを決定したが、今後の利下げに関しては明言しなかった。
今回新たに公表されたFRB当局者の金利・経済見通しで示された予測中央値は、金利が2020年を通して新たなレンジ内にとどまるというものだった。ただFRBに内在する見解の相違を反映し、政策当局者17人のうち7人は25bpの利下げが年内あと1回実施されるとの見通しを示す一方、5人が年内に利上げが必要になるとの見方を示した。
BMOキャピタル・マーケッツ(ニューヨーク)の金利ストラテジスト、ジョン・ヒル氏は「市場にはややタカ派的との解釈が次第に広がった」と指摘。「われわれはFRBが追加利下げを示唆しなかったという事実をうのみにしていない。6月にも年内利下げの示唆はなかった」と述べた。
FOMC前は週末に発生したサウジアラビアの石油施設に対する攻撃を巡る懸念が引き続き安全資産である米国債への買いを支えていた。
<株式> はほぼ変わらず。ダウ平均株価 (DJI)は36ドル高で引けた。連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を受け市場では当初売りが出たものの、その後は買い戻しが入り下げ渋る展開となった。
FRB当局者の金利・経済見通しで示された予測中央値は、金利が2020年を通して新たなレンジ内にとどまるというもの。追加利下げを期待していた投資家は肩透かしを食らった格好で、FOMC声明発表直後に株価は下落した。ただパウエル議長がFOMC後の記者会見でFRBには必要に応じて「積極的な」措置を取る用意があると述べたことを受け、株価は上向いた。
ジョーンズトレーディングの首席市場ストラテジスト、マイク・オルーク氏は「パウエル議長は、今回の決定がサイクル半ばでの調整だったということに加え、FRBには必要に応じて行動を起こす用意があるとのメッセージを非常にうまく伝達した」と指摘。チェリーレーン・インベストメンツのパートナー、リック・メックラー氏は「突き詰めれば、パウエル議長はマイナスなことは何も言わなかった」と述べた。
S&Pの主要11部門のうち6部門が上昇。金利動向に敏感なS&P500銀行株指数は0.7%上昇した。
<金先物> 対ユーロでのドル安などを背景に買われ、3日続伸した。
米イラン間の緊張の高まりも安全資産とされる金相場の支援材料。ただ、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策発表を午後に控えて、様子見ムードが強く、おおむね小幅なレンジ内での商いとなった。
連邦公開市場委員会(FOMC)参加者は想定よりも追加緩和に慎重との観測が浮上し、金相場は清算値確定後にマイナス圏に沈んでいる。
<米原油先物> サウジアラビアの原油供給が想定以上に迅速に復旧するとの見通しが引き続き圧迫材料となり、続落した。
サウジのアブドルアジズ・エネルギー相は17日、無人機攻撃の影響で落ち込んだ国営石油会社サウジアラムコの産油量が月内に攻撃前の水準に回復するとの見通しを発表した。これを受けて過度の供給不安が後退。週初の急騰後の利益確定やポジション調整の売りが活発化している。
石油施設への攻撃に対し、米・サウジ両国が軍事的選択肢も含めたイランへの報復措置の検討を本格化させる構えを示し、地政学的リスクへの警戒感が強まっているものの、需給面ではサウジの減産分は現在の過剰在庫で吸収できるとの見方が一部で浮上しており、相場の下押し要因となっているもようだ。
ドル/円 NY終値 108.44/108.47
始値 108.19
高値 108.47
安値 108.11
ユーロ/ドル NY終値 1.1029/1.1031
始値 1.1042 (EUR=)
高値 1.1068
安値 1.1015
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 99*31.50 2.2507% (US30YT=RR)
前営業日終値 99*11.00 2.2800%
10年債(指標銘柄) 17時05分 98*13.50 1.7996% (US10YT=RR)
前営業日終値 98*09.50 1.8140%
5年債(指標銘柄) 17時05分 97*31.25 1.6778% (US5YT=RR)
前営業日終値 98*01.00 1.6660%
2年債(指標銘柄) 17時04分 99*15.88 1.7641% (US2YT=RR)
前営業日終値 99*17.50 1.7370%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 27147.08 +36.28 +0.13 (DJI)
前営業日終値 27110.80
ナスダック総合 8177.39 -8.62 -0.11 (IXIC)
前営業日終値 8186.02
S&P総合500種 3006.73 +1.03 +0.03 (SPX)
前営業日終値 3005.70
COMEX金 12月限 1515.8 +2.4
前営業日終値 1513.4
COMEX銀 12月限 1791.9 ‐22.1
前営業日終値 1814.0
北海ブレント 11月限 63.60 ‐0.95 (LCOc1)
前営業日終値 64.55
米WTI先物 10月限 58.11 ‐1.23 (CLc1)
前営業日終値 59.34
CRB商品指数 177.6327 ‐1.1613 (TRCCRB)
前営業日終値 178.7940 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20190918T222034+0000