[4日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 反発して取引を終えた。石油大手のBPやロイヤル・ダッチ・シェルが相場をけん引した。
今週は主要経済の製造業やサービス業の軟調な指標が次々と発表され、米中貿易摩擦が世界経済に影響していることが示された。FTSE100種は週間ベースでは約1年ぶりの大幅な値下がりとなった。
この日発表された9月の米雇用統計は雇用者数が緩やかに伸びたほか、失業率が50年近くぶりの低水準に改善した。経済への不安が和らぎ、買い安心感が広がった。[nL3N26P2ML]
マーケッツ・ドットコムのアナリスト、ニール・ウィルソン氏は「米雇用統計は米連邦準備理事会(FRB)の姿勢をあまり変えないだろう。利下げを考え直すほど良くもなく、より積極的な利下げを後押しするような悪い内容でもない」と述べた。
BPは2.1%高だった。上流部門トップのバーナード・ルーニー氏が、ボブ・ダドリー最高経営責任者(CEO)の後任となると発表したことが買い材料だった。
中型株で構成するFTSE250種は0.68%上昇した。発電会社のドラックスが13.9%上昇し、全体水準を押し上げた。英国で非常時の電源を確保する約10億ポンド規模の計画を欧州委員会が承認する見込みだとするロイターの報道が材料視された。FTSE100種では同業のSSEとセントリカが値上がりした。
<欧州株式市場> 上昇して取引を終えた。米雇用統計で雇用者数が緩やかに伸びたことで市場心理がやや好転した。
STOXX欧州600種ヘルスケア指数や食品・飲料株指数などのディフェンシブ部門が買われ、世界経済への不安が残っていることを示唆した。
今週は米国や欧州の軟調な指標が続いたほか、欧州連合(EU)と米国間の貿易摩擦が不安視された。STOXX欧州600種指数は週間ベースで2.95%低下した。
この日発表された9月の米雇用者数は下げ観測が後退するほど多くなく、米経済が急減速しているとの不安は和らげる水準だった。TSロンバードの戦略責任者アンドレア・チッチョーネ氏は「FRBが緩和策を続ける様子である限り、株価は上がるだろう」と述べた。
テクノロジー株指数は1.30%上昇した。米アップルが「iPhone11」の生産を増やすとの報道を受け、半導体メーカーの株価が上がった。半導体大手のインフィニオン・テクノロジーズとAMS、STマイクロエレクトロニクス、ダイアログ・セミコンダクターは1.3%から4.3%上昇した。
<ユーロ圏債券> 経済指標の不調が続いていた米国の雇用統計が底堅かったことを受け、ユーロ圏の国債利回りが安定化した。ただ前日の利回り低下を吸収するには至らず、週間ベースでは3週間連続の低下となる公算が大きい。
米労働省が発表した9月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が前月から13万6000人増加したほか、失業率は3.5%と約50年ぶりの低水準となった。[nL3N26M3BW]
今週発表の米経済指標では米供給管理協会(ISM)の9月の指数が製造業、非製造業がともに軟調。[nL3N26M3BW][nL3N26O2T7]ユニジェスションのマクロ経済調査部門責任者、フロリアン・イエルポ氏は「ISM指数が製造業、非製造業ともに低調だったことで、市場では景気後退(リセッション)懸念が台頭した」と指摘。ただ、向こう2四半期は景気後退に陥らないとの見方を示した。
ユーロ圏国債利回りは米雇用統計の発表を受けやや上向いたが、前日の大きな低下を吸収するには至らず、終盤の取引では前日比でほぼ横ばいとなっている。
終盤の取引で独10年債利回りはほぼ横ばいのマイナス0.59%。この日の最低水準からはやや持ち直したが、週間ベースでは3週間連続での低下となる見通し。
今週は米国債利回りが大きく低下したことで米独2年債利回り格差は210ベーシスポイント(bp)近辺と、2017年終盤以来の水準に縮小した。
ユーロ圏の債券発行を巡っては、イタリアが約10年ぶりにドル建て新発債の発行を準備していることが関係筋の話で判明。発行は来週にも発表される可能性がある。
このほか、格付け会社ドミニオン・ボンド・レーティング・サービシズ(DBRS)がこの日に発表するとみられているポルトガルの格付け見直しが注目されている。ポルトガルでは2日後に議会選挙が実施される。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20191004T195307+0000