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NY市場サマリー(10日)

発行済 2019-10-11 07:39
NY市場サマリー(10日)
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[10日 ロイター] - <為替> ドルが下落し、対ユーロやポンドで2週間ぶり安値を付けた。米中通商協議を巡る期待や英国の合意なき欧州連合(EU)離脱の確率が低下しているとの見方から、ドルの安全資産としての投資妙味が薄まった。

ジョンソン英首相はこの日、アイルランドのバラッカー首相と会談し、英EU離脱を巡り、合意に向けた道筋が見いだせるとの見解で一致した。

米国と中国は同日、閣僚級の通商協議を開始。中国国営新華社によると、劉副首相は協議に先立ち、米中貿易摩擦の一段の悪化を防ぐために、中国は通商協議で双方が重要と見なす問題について合意を目指す意向だと述べた。

テンパスのシニア通貨トレーダー、フワン・ペレス氏は「英国が離脱協定案を巡りEUと合意する可能性が高まり、米中協議が進展を示す中、安全資産としてのドル需要は後退している」と述べた。

OANDAのシニア市場アナリスト、エドワード・モヤ氏は「米中が何らかの通商合意もしくは部分的合意などが実現すれば、欧州資産への支援材料となる」と述べた。

終盤の取引で、主要6通貨に対するドル指数 (DXY)は0.4%安の98.70。一時2週間ぶりの安値を付けていた。

ポンド/ドルは1.9%高の1.2447ドル。一時2週間ぶり高値を更新し、1日としては7カ月ぶりの大幅な上昇率を記録した。

ドルに並び安全資産とされる円も売られ、対ドルで一時1週間ぶり安値を更新。終盤のドル/円は0.4%高の107.89円。

ユーロ/ドル (EUR=)は2週間ぶり高値を更新。その後は0.3%高の1.1004ドルで推移した。

朝方発表された9月の米消費者物価指数(CPI)は前月比横ばいと、市場予想を下回り、米連邦準備理事会(FRB)が今月の会合で今年3回目の利下げを決定するとの観測を裏付ける内容となったものの、為替相場の反応は限定的だった。

市場では、85%の確率で、FRBが今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で25ベーシスポイント(bp)の利下げを実施するとの見方を織り込んでいる。月初時点では53%だった。

<債券> 国債利回りが上昇した。米国と中国は10日、閣僚級の通商協議をワシントンで開始。双方の閣僚による直接協議は7月下旬以来で、15カ月にわたる貿易戦争の解決に向けた楽観論が広がった。

米国側は協議再開を控えた今週、中国政府によるウイグル族などイスラム系少数民族への弾圧への関与を理由に、中国の監視カメラ大手、杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン) (SZ:002415)や公安機関など28団体・企業を事実上の禁輸リストに追加したほか、中国当局者に対するビザ発給制限を発表した。

ジャニー・モンゴメリー・スコットの首席債券ストラテジスト、ガイ・ルバス氏は「リスク心理は米中交渉に合わせて大きく揺れており、それが金利市場を動かす強い力になっている」と述べた。

ルバス氏やアナリストは、目まぐるしく変わるニュースを投資戦略に活用する難しさも指摘。「通商交渉を巡る相対する情報でオーバーナイトに荒い値動きになったことは、利回り5ベーシスポイント(bp)の動きを追う難しさを示している」と述べた。

米10年債利回り (US10YT=RR)は7.6bp上昇の1.663%。2年債利回り (US2YT=RR)は6bp上昇の1.534%。

この日行われた160億ドルの30年債入札(リオープン)は控えめな需要となった。終盤の取引で、30年債利回り (US30YT=RR)は6.9bp上昇の2.155%。

朝方発表された9月の消費者物価指数(CPI)は前月から横ばいと、1月以来の弱さだった。一方、市場予想を下回った新規失業保険申請件数は労働市場が底堅さを保っていることを示唆し、米連邦準備理事会(FRB)が月末に今年3回目の利下げを実施するとの期待を抑制した。

TDセキュリティーズのアナリストは「物価は引き続きFRBが最近の利下げを理由とする要因だが、今月のCPI指標が短期的にFRBの見解変更につながるとはみていない」と指摘した。

<株式> 上昇して終了。この日始まった米中の閣僚級通商交渉が少なくとも部分的な合意に至るとの期待が追い風となった。また、アップルが上昇し、相場押し上げに寄与した。

米中閣僚による直接協議は7月下旬以来で、15カ月にわたる貿易戦争の終結に向けた解決策を模索する。

引け後、トランプ米大統領が初日の協議は非常に良い内容だったと発言し、S&P総合500種Eミニ先物は約1%上昇した。

トランプ氏はこの日、中国の交渉責任者である劉鶴副首相と11日にホワイトハウスで会談することも明らかにした。

中国国営新華社によると、劉副首相は、米中貿易摩擦の一段の悪化を防ぐために、中国は通商協議で双方が重要と見なす問題について合意を目指す意向だと述べた。

この日はエネルギー、金融、工業、素材といった循環株の上昇が大きかった。ダウ輸送株 (DJT)は1.3%高。

BB&Tウェルスマネジメントのシニアバイスプレジデント、バッキー・ヘルウィグ氏は「何かが起きるという期待はある。ただ、まとまらない可能性を受け入れる向きもあるようだ」と述べた。

アップル (O:AAPL)は1.3%高。ロングボウ・リサーチが投資判断を「ニュートラル」から「バイ」に引き上げ。「iPhone11」の好調な販売を受け、生産量が予想を上回るとの見通しを示した。

デルタ航空 (N:DAL)は1.5%下落。今四半期の利益見通しが失望を誘った。

朝方発表された9月の消費者物価指数(CPI)は前月から横ばいと、1月以来の弱さだった。

市場では来週から発表が始まる米企業決算に注目が集まっている。リフィニティブによると、アナリストは第3・四半期利益が前年同期比3.1%減と予想している。

<金先物> 米中貿易協議の進展期待が高まる中、安全資産とされる金は売られ、反落した。中心限月12月物の清算値は前日比11.90ドル(0.79%)安の1オンス=1500.90ドル。

米中両政府は10日、ワシントンで2カ月半ぶりとなる閣僚級の貿易協議を再開した。貿易戦争の長期化で両国の景気に陰りも見える中、関税合戦の悪化を回避できるかに注目が集まり、早朝までの金相場は前日清算値の水準で小動きとなっていた。ただ、米労働省が朝方発表した最新週の新規失業保険申請件数が、季節調整済みで前週比1万件減の21万件と、市場予想の21万9000件を下回ったことから安全資産とされる金の需要が減退。トランプ米大統領が中国の劉副首相と11日に会談するとツイッターに投稿したことで投資家のリスク選好意欲が盛り返し、金に一段と売り圧力がかかった。

<米原油先物> 需給不均衡や米中貿易摩擦激化に対する懸念が後退する中で買われ、4日ぶりに反発した。米国産標準油種WTIの中心限月11月物の清算値は前日比0.96ドル(1.83%)高の1バレル=53.55ドルだった。12月物は0.95ドル高の53.56ドルとなった。

石油輸出国機構(OPEC)のバーキンド事務局長は10日、OPECは市場の均衡を図るために、12月の総会で一段の減産を含む全ての選択肢を検討すると示唆した。これを受けて、過度の供給過剰に対する懸念が後退し、原油が買われた。

一方、トランプ米大統領は、11日に中国の劉鶴副首相とホワイトハウスで会談するとツイッターで明らかにした。これを受けて、米中貿易摩擦激化に対する過度の懸念が後退し、米株価が上伸。株式と並んでリスク資産とされる原油にも買いが入った。外国為替市場では対ユーロでドル安が進行。ドル建てで取引される原油などの商品に割安感が強まり、相場を支えた面もあった。

ドル/円 NY終値 107.96/107.99

始値 107.40

高値 108.01

安値 107.39

ユーロ/ドル NY終値 1.1004/1.1008

始値 1.1024 (EUR=)

高値 1.1034

安値 1.1003

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 101*31.00 2.1601% (US30YT=RR)

前営業日終値 103*20.00 2.0860%

10年債(指標銘柄) 17時05分 99*19.00 1.6698% (US10YT=RR)

前営業日終値 100*11.00 1.5870%

5年債(指標銘柄) 17時03分 100*01.75 1.4885% (US5YT=RR)

前営業日終値 100*14.00 1.4090%

2年債(指標銘柄) 17時03分 99*29.13 1.5464% (US2YT=RR)

前営業日終値 100*01.63 1.4740%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 26496.67 +150.66 +0.57 (DJI)

前営業日終値 26346.01

ナスダック総合 7950.78 +47.04 +0.60 (IXIC)

前営業日終値 7903.74

S&P総合500種 2938.13 +18.73 +0.64 (SPX)

前営業日終値 2919.40

COMEX金 12月限 1500.9 ‐11.9 <0#GC:>

前営業日終値 1512.8

COMEX銀 12月限 1760.2 ‐20.8 <0#SI:>

前営業日終値 1781.0

北海ブレント 12月限 59.10 +0.78 (LCOc1)<0#LCO:>

前営業日終値 58.32

米WTI先物 11月限 53.55 +0.96 (CLc1)<0#CL:>

前営業日終値 52.59

CRB商品指数 173.5792 +0.5110 (TRCCRB)

前営業日終値 173.0682 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20191010T223142+0000

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