[フランクフルト 23日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)職員はドラギ総裁の積極的な緩和策を支持する一方、特定のスタッフのみを頼りにし組織におけるえこひいきを容認したとみていることが明らかになった。職員で構成する労働組合IPSOの調査結果の内容をロイターが把握した。
ドラギ総裁は8年の任期を終え31日に退任する。ユーロ圏の分裂を回避した功績が世界的に評価される一方、先月発表した債券買い入れ再開など議論の余地がある決定を、幅広く意見を求めることがなく進めたことを批判する声が聞かれた。
調査によると、回答者735人の54.5%がドラギ氏の仕事ぶりを「非常に良い」あるいは「傑出」と評価。政策措置への支持はこれを上回った。
一方で、回答者の過半数が職員採用における透明性の欠如と組織内のえこひいきを批判した。
また、総裁周辺の「キッチン・キャビネット」の存在を指摘し、ごく少数のスタッフのみが内部情報へのアクセス権限をもっていたとの声もあった。
このほか、スタッフの問題への関与が十分でなかったとの回答も47%にのぼった。
ECB報道官によると、調査で明らかになった問題はすでに対応中で、労組との対話はラガルド新総裁の下で続けられる予定。