[東京 24日 ロイター] - 第一生命保険が24日発表した2019年度下期の一般勘定資産運用計画によると、為替ヘッジ付き外債は国内外の金利動向、オープン外債はリスク許容度や為替動向をにらみながらそれぞれ機動的に残高を調整する方針だ。円債は、プロジェクトファイナンスやアセットファイナンスなどへの投資は継続するが、償還などにより全体では横ばいの見込み。低金利が続く厳しい運用環境下で安定収益を確保できるアセットに資金を回す考えで、オルタナティブや不動産の残高が増加する。
甲斐章文運用企画部長は、同日開いた説明会で「オルタナティブや不動産はメインのアセットとはならないが、伝統的なリスク性資産との相関性が比較的低い。ポートフォリオの分散という観点から投資していきたい」と述べた。
ヘッジ外債の残高は第1・四半期までに7749億円積み増した。国内の低金利環境やヘッジコストを勘案し、投資妙味があるところに投資したという。「欧州、米国も若干積み増した」(甲斐氏)。下期についても国内外の金利動向を踏まえ機動的にコントロールする。
為替ヘッジを付けないオープン外債は上期減少。第1・四半期までに1568億円圧縮した。下期、想定レンジの範囲内で投資妙味が出てくれば投資を検討するものの、リスク管理という観点から一定程度は抑制的となり、「大幅に積み増すのは難しい」(同)とみている。
円建て債券については、社債の残高が償還などで減少した一方、責任準備金積み増しにより国債の残高が増えた。全体では第1・四半期まで1203億円増加。下期は「社債への投資を大きくすることは考えていない。国債に関しても想定レンジ内で推移するのであれば積極投資は控えたい」(甲斐氏)とし、円債全体の残高は横ばいとなる見込み。
国内株の残高は第1・四半期に449億円減少。仮に想定レンジの中で動くなら、下期も基本線として削減方向という。
このほか、第・1四半期までにオルタナティブが37億円、不動産が62億円それぞれ残高が増加。不動産の投資対象について「構成的にオフィスが多かったが、住宅や物流施設などその他の分野に分散していく。東京五輪を控えて不動産市況に高値警戒感もあるが、引き続き用途やタイミングを分散しながら段階的に投資を実行していく」(甲斐氏)という。
10月30─31日に開催される日銀決定会合では、現行の為替や株価の水準を考慮すると、金融政策の現状維持がメインシナリオとしている。
19年度下期の相場見通し(レンジと年度末)は以下の通り。▼はマイナス。
日本国債10年物利回り ▼0.40―0.00%(年度末▼0.20%)
米10年債利回り 1.00─1.80%(同1.50%)
日経平均 1万8000─2万4000円(同2万1000円)
米ダウ 2万4000─2万8000ドル(2万6000ドル)
ドル/円 100.00―110.00円(同105.00円)
ユーロ/円 105.00―125.00円(同118.00円)
(杉山健太郎 編集:内田慎一)