[6日 ロイター] - <為替> ニューヨーク外為市場ではドルが円に対して下落したほか、他の通貨に対しても軟調に推移した。米中通商協議の行方を見極めようとする動きが強まる中、方向感を欠く取引となった。
米中通商協議を巡っては、米政府高官がロイターに対し、「第1段階」の合意の署名が12月にずれ込む可能性があると明らかにした。条件のほか、トランプ米大統領と習近平中国国家主席による会談の開催地を巡る協議がなお続いているという。
ウェルズ・ファーゴ証券(ニューヨーク)の外為ストラテジスト、エリック・ネルソン氏は「米中貿易戦争は最悪期を脱したと完全に確認される必要があるが、現時点ではまだ合意にも至っていない」と述べた。
ただ、第1段階の合意に向けた歩み寄りがこのところ見られていたことで、市場心理は世界的に好転。前日の取引ではオフショア人民元相場が対ドルで3カ月ぶりの高値を付けるなどしていた。
ただ、この日の外為市場では様子見姿勢が強まり、終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数 (DXY)は0.1%安の97.875となっている。前日は3週間ぶり高値を付けていた。
<債券> 米金融・債券市場では国債価格が上昇、利回りは低下した。米中の「第1段階」の通商合意の署名が12月にずれ込む可能性があると報じられ、リスク選好が後退、株安・債券高の展開となった。またこれまで債券売りが続いたことから一部投資家が買い戻す動きも見られた。
米政府高官によると、米中の「第1段階」の通商合意の署名は12月にずれ込む可能性があり、条件や開催地を巡る協議がなお続いている。また第1段階の合意が達成しない可能性も残されているものの、達成する確率の方が高いという。
ウエルズファーゴ(ニューヨーク)の金利戦略部長、マイク・シューマッハ氏は「特に長期債利回りが通商問題の動きに反応している」と指摘。またDAデビッドソン(シアトル)の債券トレーディング部バイスプレジデント、メアリー・アン・ハーレー氏は「相場はこれまでかなり下げが続いたため、ここにきて多少ショートカバーが入ったのだろう」と述べた。
10年債 (US10YT=RR)は16/32高。利回りは1.809%と前日の1.865%から低下した。仮に米国が既存の対中関税撤廃で合意した場合、リスク選好が上向き、10年債利回りは2%を超えると予想される。
金融当局者発言では、米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が、米連邦準備理事会(FRB)の政策はデータ次第だが、経済成長を維持するためには先手先手で対応すべきという考えを示した。また7月以降実施した3回の利下げに伴い、経済の先行きリスクを克服する上で状況は改善しているとした。
<株式> 米国株式市場は、ほぼ横ばいで取引を終えた。米中の「第1段階」の通商合意の署名が12月にずれ込む可能性があるとの報道が重しとなった。その一方、ヘルスケアセクターが好調で株価を下支えした。
ナスダックは前日まで3日連続で終値での最高値を更新したが、この日はストップがかかった。前日まで2日連続で最高値となったダウも、わずかに下落して引けた。
トランプ政権高官は6日、ロイターの取材に対し、第1段階の通商合意は条件や開催地を巡る協議がなお続いており、署名は12月にずれ込む可能性があると明らかにした。
これを受け、貿易戦争が続く可能性を巡り不安が再燃した。
ジョーンズトレーディングのチーフマーケットストラテジスト、マイケル・オルーク氏は、報道を受けて売りが出たものの、目立った下げではなかったと指摘。「市場は最高値を付け、それを突破して行けるかどうか様子見の展開だ」と話した。
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物市場では、安値拾いの買いなどが入り、4営業日ぶりに反発した。
前日の金相場は、米中貿易摩擦の緩和期待などを背景に売り圧力がかかり、約3週間ぶりの安値を付けていた。この日はその反動で買われ、金相場は堅調に推移した。また、ロイターは6日、米中貿易協議の「第1段階」合意に署名するための首脳会談が12月にずれ込む可能性があると報道。安全資産とされる金の買いを後押しした。
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米原油在庫が予想を大幅に上回る増加となったことから供給過剰懸念が再燃し、4営業日ぶりに反落した。
米エネルギー情報局(EIA)が午前に発表した週報によると、1日までの国内原油在庫は前週比790万バレル増と、市場予想(ロイター拡大版調査)の150万バレル増を5倍以上上回る積み増しとなった。
ドル/円 NY終値 108.96/108.99
始値 108.99
高値 109.10
安値 108.83
ユーロ/ドル NY終値 1.1065/1.1069
始値 1.1081 (EUR=)
高値 1.1092
安値 1.1065
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 98*18.00 2.3170% (US30YT=RR)
前営業日終値 97*29.50 2.3470%
10年債(指標銘柄) 17時05分 98*05.50 1.8301% (US10YT=RR)
前営業日終値 97*27.50 1.8650%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*12.00 1.6311% (US5YT=RR)
前営業日終値 99*06.00 1.6710%
2年債(指標銘柄) 16時54分 99*25.00 1.6126% (US2YT=RR)
前営業日終値 99*23.75 1.6330%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 27492.56 -0.07 0.00 (DJI)
前営業日終値 27492.63
ナスダック総合 8410.63 -24.05 -0.29 (IXIC)
前営業日終値 8434.68
S&P総合500種 3076.78 +2.16 +0.07 (SPX)
前営業日終値 3074.62
COMEX金 12月限 1493.1 +9.4
前営業日終値 1483.7
COMEX銀 12月限 1759.8 +3.0
前営業日終値 1756.8
北海ブレント 1月限 61.74 ‐1.22 (LCOc1)
前営業日終値 62.96
米WTI先物 12月限 56.35 ‐0.88 (CLc1)
前営業日終値 57.23
CRB商品指数 180.5132 ‐1.5763 (TRCCRB)
前営業日終値 182.0895 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20191106T221939+0000