[ロンドン 18日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が18日発表した11月の消費者物価指数(CPI)は、10月と同じく前年比1.5%上昇で、2カ月連続で約3年ぶりの低い伸びにとどまった。イングランド銀行(英中央銀行)は19日に金融政策委員会を開くが、今回の結果で政策決定の予想が変化する公算は小さいとみられている。
ロイターがまとめたエコノミスト予想の中央値(1.4%上昇)をわずかに上回ったものの、英中銀の目標(2%上昇)を引き続き大きく下回った。
ONSの統計担当者は「チョコレートやコンサートチケット、パック旅行などさまざまなモノ・サービスの価格が上昇したものの、ホテル代やたばこの値段の伸びが鈍化し、全体の上昇率は横ばいになった」と説明した。
コアインフレ率(エネルギー、燃料、アルコール、たばこを除く)も、10月と同じく前年比1.7%上昇だった。
英中銀は11月7日の前回会合で政策金利を0.75%に据え置くことを決定したが、9人の政策委員のうち2人が利下げを主張。今月12日投開票の総選挙でジョンソン首相率いる与党・保守党が大勝したことで政治的な先行き不透明性はこれまでと比べると後退したものの、今回の会合でも2人の委員が再度利下げを主張すると予想されている。
キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、ルス・グレゴリー氏は「インフレ率は目標を大きく下回り、基調的な物価圧力もほとんどみられない中、経済成長率もトレンドを下回っている」とし、「中銀が19日の金融政策委員会で利下げを決定する可能性を完全に排除してはならない」と指摘。「ただ、前日発表の労働市場に関する指標が好調だったことを踏まえると、現時点での利下げに対する圧力は幾分緩和されたようにも見える」と述べた。
生産者物価指数(PPI)は、目先、消費者物価にさほど押し上げ圧力がかからないことを示唆。卸価格に相当する産出指数は前年比0.5%上昇と、2016年7月以来の鈍い伸びとなった。
10月の住宅価格は前年比0.7%上昇。上昇率は9月(1.3%上昇)から減速し、7年あまりぶりの低水準となった。
ロンドンの住宅価格は1.6%下落と6月以来、最大の落ち込みを記録した。