[フランクフルト 18日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のクーレ専務理事は18日、ECBはより理解しやすいインフレ目標を導入し、より柔軟に達成を目指す必要があるとの考えを示した。
ECBは現在、インフレ目標を2%に近いがこれを下回る水準に設定しているが、来年に着手する政策見直しでは物価安定の定義が焦点の1つになるとみられている。
12月31日に8年の任期が終了するクーレ専務理事は退任に向けたイベントで、「ECBは中期的にインフレ率2%達成を目標としていると明確に示す必要がある」とし、その上で「通常の状態の下で容認できるインフレ率のレンジを公表することもできる」と述べた。
ユーロ圏では2013年以降、インフレ率がECBの目標を下回る状態が続いていおり、ECBはインフレ率は向こう何年にもわたり低迷するとの見方を示している。
クーレ氏は、人口の高齢化やグローバリゼーションなどの構造的な要因でインフレが抑制されている面もあると指摘。「近い将来」に物価上昇が加速する公算は小さいとの見方を示した。
このほか、ECBがこれまでに実施した景気刺激策は効果的だったとし、今後はECBがより多くの機関と共に取り組んでいくことが一助になる可能性があると指摘。中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)なども例に挙げた。
クーレ氏は退任後、国際決済銀行(BIS)で新設される「イノベーション・ハブ」部門の責任者に来年1月15日付で就任する。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20191218T161905+0000