[マディソン 9日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀のブラード総裁は9日、米経済は昨年台頭していた景気後退リスクを回避した公算が大きく、米中貿易摩擦を巡る最も深刻な懸念は「幾分緩和した」と語った。
ブラード総裁は、連邦準備理事会(FRB)が昨年緩和スタンスへ大きく舵を切ったことによって、米経済がソフトランディングする道筋を整えた「十分な可能性がある」と指摘した。FRBは2019年に3回の利下げを実施した。
さらに「貿易問題を巡る不透明性は継続するだろう」としながらも、「企業は不透明な状況においても採算が取れるよう、ビジネス戦略を調整している」と指摘した。
米経済の拡大ペースは今年一段と鈍化する可能性があるとしつつも、「予想よりも急激な」減速に直面することなく、基調トレンドに回帰するとの認識を示した。
また、「18年終盤時点に比べ、米金融政策は現時点でかなり緩和的になっている」と述べた。
このほか、常設レポファシリティーの創設により、FRBはバランスシートを縮小できるとの考えも示した。