[ワシントン 31日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のクラリダ副議長は31日、米経済の立ち位置は良好だが、中国を中心に感染が拡大している新型コロナウイルスが「波乱要因」になり得るという認識を示した。
副議長はブルームバーグテレビのインタビューで「(新型肺炎は)ワイルドカードだ。専門家でさえ判断は時期尚早と強調している。中国や世界の成長、また米国にどのように影響するのか注視している」と語った。
また「これで経済が1ー2四半期の減速にとどまるのであれば、全般的な見通しを修正する必要はないだろう。しかし状況が厳しいことは間違いなく、引き続き警戒していく」と述べた。
新型コロナウイルスの感染者数はすでに2002ー03年に大流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の人数を上回っており、世界全体で1万人に迫る勢いを見せている。[nL4N2A00B4]
米経済については「良好な位置に付けている」と指摘。米経済見通しに大幅な変化がない限りは金利変更はないとの見解を示した。FRBも同様の見解を繰り返し表明している。
ただこの日発表の1月のシカゴ景気指数は42.9と、前月の48.2から悪化し、2015年12月以来4年ぶりの低水準になったほか、商務省発表の昨年12月の個人消費支出(季節調整済み)は、前月比0.3%増と安定的に伸びたものの、所得の伸びは緩慢だったことから今年は個人消費が緩やかな伸びにとどまることが示唆された。[nL4N2A04XF][nL4N2A050G]
クラリダ副議長はこれまでも米国の消費について楽観的な見方を示してきたが、こうした経済指標にも表立って懸念は示さず、消費は「これまで以上に良好な情勢にある」と強調した。
このほか、今週の米国債市場で一部の長短利回り格差の逆転がみられたことについても心配していないと表明。長短金利の一部逆転は「米経済の見通しに起因するものではなく、むしろ世界的な先行き不透明感の高まりを反映したものだった」とし、「米経済見通しを反映したものでないため懸念していない」と述べた。
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