[ロンドン 11日 ロイター] - 英航空大手ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)の持株会社インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG) (L:ICAG)のウォルシュ最高経営責任者(CEO)は11日、英政府が海外からの入国者に隔離措置を導入すれば、航空業界は新たな損害を被るだろうと警告した。
英航空団体「エアラインズUK」は9日、英政府が航空各社に対し、新型コロナウイルスの感染第2波回避に向け入国者の大半に対し14日間の隔離措置を導入する方針を通知したと明らかにした。
ウォルシュCEOは、議会運輸委員会で、隔離措置が導入される場合、IAGは7月の運航再開計画を見直さなければならないと指摘。「われわれは流動性拡大に向け、現時点で考えられるあらゆる手段を使い果たした可能性がある。現金は大幅に減少しており、5月、6月、7月にかけて減少が続くだろう」とし、14日間の隔離措置によって需要が「最低限」になり、現在の状況を一段と悪化させると述べた。
BAの従業員の30%に当たる最大1万2000人の雇用削減計画に関する質問に対しては、航空業界は歴史上最も深刻な危機に直面していると応じ、「2019年の状況に戻るとの見方は、直面している危機の規模を誤解している」と語った。
その上で、IAG傘下のスペインのイベリア航空とブエリング航空、アイルランドのエアリンガス航空でも雇用削減が実施される可能性があるとした。