[ワシントン 21日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のクラリダ副議長は21日、これまでFRBが導入した措置により金融情勢が緩和され、米経済に時間的猶予を与えたが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)とこれに関連する景気後退が長引けば、脅かされる可能性があると述べた。
オンラインイベント向けの準備原稿で、FRBが実施した政策の影響について概説し「金融情勢の緩和によって、米経済の回復が始まるまでの時間的猶予が生まれた」と指摘。「耐久性があるかどうかは、新型コロナウイルスの伝染経路とそれによって引き起こされた景気後退の期間に大きく依存する」と語った。
また、新型コロナの封じ込めに向けた取り組みの成果に応じて「多様なシナリオ」が想定されるため、米経済の道筋を予測することは依然として困難とした。
インフレ率に関しては、新型コロナ危機は現時点で供給面よりも需要面に打撃を与えており、「インフレではなくディスインフレにつながる。現時点で得られるデータはこの予測と一致している」と述べた。
一方で、年後半から米経済が成長し、失業率が低下し始めるとの見通しを示した。
パウエルFRB議長を含む他の政策当局者と同様、必要なら一段の措置を取るとし、財政支出拡大の必要性にも言及。
ただ、これまでのFRBの措置は効果を上げているとし、例えば、直近数週間の米債買い入れの鈍化は「市場機能の大幅な改善を反映している」とした。