[東京 22日 ロイター] - 東京都の小池百合子知事は22日の会見で、政府の緊急事態宣言解除に備えた休業要請の解除方針について、詳細を公表した。7つの指標を目安とし、解除後に新規感染者数の増加などが見られた場合は警戒宣言「東京アラート」を発令し、東京湾のレインボーブリッジの照明を赤く点灯し告知する。
休業要請は現在を「ステップ0」とし、「ステップ3」まで段階的に解除する。 政府が25日にも可否を判断する緊急事態宣言の解除を受けて「ステップ1」に移行する。ひとつのステップは2週間程度を目安とするが、「感染者が少ない状況が続けば、次のステップへの移行を早めることも検討する」(小池知事)。
<政府の緊急事態解除後に飲食店夜10時まで、体育館など使用可>
現在午後8時としている飲食店の終業時間をステップ1で午後10時、ステップ3で午前0時に緩和する。イベントの開催は、ステップ1で50人までの規模を解禁、ステップ2で100人まで、ステップ3で1000人まで徐々に解禁する。
体育館や水泳場などスポーツ施設の利用もステップ1で可能とし、プロスポーツの無観客試合を可能とする。
クラスター発生歴のある施設の利用については国の方針を踏まえて検討する。
学校はオンライン・家庭学習と学校での学習の配分の比率を変更し、分散登校で段階的に解除を進める。
小池知事は15日時点で、解除方針の概要をすでに公表済み。解除は、7つの指標を目安として、3段階で進めるとしていた。
休業要請の解除に向けて、参照する指標として、1)1日の新規感染者数(直近7日間平均で20人未満)、 2)新規感染者のうち感染経路不明率(50%未満)、3)週ごとの感染者の増減、4)重症患者数、5)入院患者数、6)陽性率、7)受診相談窓口の相談件数。
休業要請解除の3段階のうち、ステップ1では図書館や美術館などを開館し、ステップ2は劇場や飲食店など条件つきで緩和。ステップ3ではナイトクラブやライブハウスなどを除く残りの施設への要請を解除するとしていた。
休業要請の緩和に向けた東京都の指標
目安の数値
緩和時 再要請時 21日現在
1)1日の新規感染者数 20人未満 50人以上 8.4人
2)新規感染者のうち感染経路不明率 50%未満 50%以上 47.5%
3)週ごとの陽性者の増加比 1未満 2 0.33
4)重症患者数 42人
5)入院患者数 679人
6)PCR検査陽性率 1.7%
7)受診相談窓口の相談件数 1014件
施設別の休業要請緩和ステップ
ステップ0 ステップ1 ステップ2 ステップ3
博物館・美術館 ✖ 〇or△ 〇 〇
運動施設・学校
学習塾・劇場・集会場 ✖ ✖ 〇 〇
生活必需品以外の店舗
漫画喫茶・パチンコ店 ✖ ✖ ✖ 〇
ゲームセンター・遊園地
飲食店(居酒屋含む) 夜8時まで 夜10時まで 夜10時まで 夜12時まで
接待伴う飲食店 ✖ ✖ ✖ ✖
ライブハウス・カラオケ・ジム
イベント ✖ 50人まで 100人まで 1000人まで
(竹本能文)