[ベルリン 16日 ロイター] - ドイツ欧州経済センター(ZEW)が発表した6月の独ZEW景気期待指数は63.4で5月(51.0)から予想以上に上昇した。新型コロナウイルス危機を受けた景気悪化の最悪局面が夏までに終わると期待されている。
エコノミストの予想は60.0だった。
ZEWのワムバッハ所長は声明で「経済が2020年夏までに底入れするとの見方が強まっている」と表明。夏以降については、セクターによって回復の度合いが異なるとの見通しを示した。
「自動車や機械エンジニアリングといった輸出の比重が大きいセクターや金融セクターの利益見通しは悪い。一方、IT(情報技術)、通信、消費者向けサービスの見通しはかなり良好だ」と述べた。
現況指数はマイナス83.1で5月(マイナス93.5)から改善。エコノミストの予想(マイナス84.0)も上回った。
ドイツ政府は、新型コロナ対応の大規模景気対策をすでに第2弾まで発表。政府は4月に今年の成長率をマイナス6.3%と予想している。
VPバンクのチーフエコノミスト、トーマス・ギツェル氏は、4月下旬から始まった感染拡大抑制策の段階的な緩和を背景に、投資家信頼感が改善したと指摘。「経済指標は疑いなく向こう数カ月で大きく改善する。比較対象が著しく低いため、わずかな改善であっても大きな数値となって統計に表れる」と述べた。
感染拡大抑制に向けロックダウン(都市封鎖)などの措置が実施されていた4月は、製造業受注、生産活動、輸出などあらゆる部門が過去最悪の規模で縮小した。INGのユーロ圏担当チーフエコノミスト、カーステン・ブレゼスキ氏は、こうした「恐ろしい」状況にあった4月が「今回の危機の最悪期だった」と指摘。景気回復は今年下半期に入っても継続するとの見方を示した。
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