[東京 29日 ロイター] - 菅義偉官房長官は29日午後の会見で、G7(主要7カ国)の枠組みそのものを維持していくことが極めて重要な考え方であるとの見解を示した。
トランプ米大統領は6月末から9月以降に開催を延期したG7サミットに、オーストラリア、ロシア、インド、韓国を招待する意向を表明。オーストラリア、韓国の首脳はすでに招待を受け入れるとの見解を公表している。ロシアの招待に対しては、欧州連合(EU)から難色を示す声が出ていた。
日本政府は、枠組み維持の理由を詳細に説明していないが、アジアで唯一の参加国としての「地位」が揺らぐほか、複数の問題で係争中である韓国の参加に否定的な見解をにじませているとみられる。
一方、5Gでは後れを取った日本企業の通信インフラへの参入に関し、菅官房長官は「ポスト5Gでは日本企業が強みを持つ産業分野での活用が見込まれ、日本企業が入り込めるチャンスが広がっている」と指摘。政府の資金投入を含めた官民挙げた技術開発に取り組む姿勢を強調した。
また、菅官房長官はEUが7月1日から域外からの人の移動規制を緩和する方向になっていることについて、現在のところ、EUから特段の連絡は入っていないとの見解を示した。
(田巻一彦)