[シドニー 30日 ロイター] - オーストラリアのモリソン首相は30日、同国に対するハッキング行為が増加している事態を受け、専門家の追加採用を含めたサイバーセキュリティー対策に今後10年間で総額13億5000万豪ドル(9億2610万米ドル)を投資すると表明した。
これに先立ち、モリソン首相は、同国の幅広い組織が「国家を基盤とする」高度なサイバー攻撃を何カ月も受けており、最近になって攻撃が強化されたと表明。標的となっているのは、同国のあらゆるレベルの政府組織、政治団体、日常生活で不可欠なサービスの提供者や重要インフラ運営者だと説明していた。[nL4N2DW07M]
オーストラリア政府は攻撃元を明らかにしていないが、複数の関係筋はロイターに攻撃元は中国だとみられると語った。中国は疑惑を否定している。
モリソン首相は、オーストラリアに対する悪意あるサイバー活動は頻度、規模、洗練度が増していると指摘。「連邦政府の最優先課題は、国家の経済と安全保障、主権の保護だ。悪意あるサイバー活動はこれらを阻害する」との声明を発表した。
投資資金のうち4億7000万豪ドルは、外国からの電子通信をチェックするオーストラリア通信電子局(ASD)に新たに500人のサイバーセキュリティー専門家を採用する費用に充てるという。
ロイターは昨年、関係筋の話として、オーストラリアの情報当局がサイバー攻撃は中国によるものだと断定したと報じた。オーストラリア政府は調査結果を公表していない。
中国はサイバー攻撃は行っていないと否定している。
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