By Noreen Burke
今週は11月3日の大統領選前の最後のFOMC政策金利発表が16日(日本時間27時)に行われる。また経済指標では、16日に米小売売上高(8月)と17日に週次の新規失業保険申請件数がある。先週からの株価の乱高下は、議会による追加経済対策の滞りや、選挙が近づく中で今週も続く可能性があるだろう。英国とEUは「国内市場法案」について対立している一方、今週は17日にイングランド銀行の政策金利の発表がある。また日本銀行も17日に政策金利の発表が予定されている。本記事では今週のスタートを切るために知っておくべきポイント5選を取り上げる。
FOMC
今週16日のFOMC終了後(日本時間27時)に、政策金利の発表が予定されている。先月に「平均物価目標」を採用を発表し、今回の声明文の文言では若干の微調整を加えることが予想される。インフレ率が上昇している期間を容認するというFRBの決定は、事実上、金利が長期にわたって低下したままであることを意味するだろう。
今回のドットプロットでは、初めて2023年の予測を含むことになる。
パウエルFRB議長は今月初めに、FRBは金融政策を維持する一方で、議会による景気刺激策も必要であると述べており、難航している議会は懸念材料である。
小売売上高(8月)、新規失業保険申請件数
FOMCの政策金利の発表を前に小売売上高(8月)が発表される。コンセンサス予想では、前月比で1%増加すると予想されている。7月末に失業給付の特例が終了し、どれほど個人消費に打撃を与えたかについての洞察を得ることになるだろう。
また引き続き新規失業保険申請件数も注目される。依然として高止まりとなっており、政府による追加経済対策が滞っている中で労働市場の回復が懸念されている。
株式市場のボラティリティーは継続か
先週ナスダックは最高値から10%安となり、一部では6ヶ月に渡る上昇トレンドから大きな下落に向かうのではないかと懸念されている。
しかし、一方で S&P 500は大きな割合を占めるテック株や景気刺激策に支えられ強い5ヶ月の上昇の後で、健全な調整局面であると考える向きもある。
バンク・オブ・アメリカのグローバル・リサーチアナリストは、9月は年間で最も弱い月となるアノマリーがあり、S&P500の平均リターンはマイナス1%となっている点を指摘している。
また同行のデータによると、マーケットは選挙前の数週間に下落し、選挙後に上昇する傾向があるという。
通商合意なき離脱
英国は14日に、「国内市場法案」について審議と採決が行われる。
EUは、英国の「国内市場法案」に対し月末までに提案を撤回しなければ、法的措置をじさないと警告しており、協議は難航している。
モルガンスタンレーのアナリストは、リサーチノートで結果的に世界貿易機関(WTO)ルールに則ったものになる確率を25%から40%に引き上げた。
ポンドは今月すでに4%下落しており、ブレクジットリスクはまだ織り込まれていないことが予想される。
世界の中央銀行
FRBがインフレ率の上昇を容認することは、事実上金融緩和を維持することを約束したものであり、他の中央銀行を窮地に追い込んでいる。他の中央銀行が追随しない限り、ドル安の影響はその国々で景気回復やインフレ見通しを脅かす懸念がある。
先週、欧州中央銀行は、ユーロの上昇はまだ懸念材料ではないと述べた。しかし、今週のイングランド銀行と日本銀行と同様に、結果的な長期金融緩和に追い込まれる可能性があるだろう。
今回の日本銀行とイングランド銀行の政策金利は、据え置きが予想されている。
本日自民党総裁選に勝利した菅義偉官房長官は 、日銀の大規模な金融緩和路線を継続する見通しである。