By Noreen Burke
Investing.com -- 今週金曜日は11月の米雇用統計が発表される。今週も引き続き新型コロナウイルスワクチンに関するニュースが材料になるだろう。パウエルFRB議長とムニューシン財務長官による緊急融資プログラム資金に関する発言にも注目だ。今週に開催されるOPEC総会では、原油の増産の延期が予想されている。また、ユーロ圏では消費者物価指数が発表され、ECBによる次回の金融政策決定会合で重要な指標となるだろう。今週のマーケットを乗り切るために必要なポイント5選を本記事では紹介する。
ワクチンへの期待
今月3つの有望な新型コロナウイルスワクチンの結果が発表されたことで、ダウ平均株価は30,000ドルを超えた。ワクチンへの期待は現在もっとも材料視されやすいだろう。
米ファイザーとドイツのBioNTechが開発する新型コロナウイルスワクチンの英国での認可が、早ければ今週はじめに行われる可能性があるという。
米国では米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると11月21日に累計1200万人を超えた。また疫学の専門家は、サンクスギビング休暇によって今後感染者が増える可能性を警告している。
米雇用統計
12月4日に発表される米雇用統計(11月)では、7ヶ月連続で増加することが予想されている。コンセンサス予想では50万人の増加、失業率は6.9%から6.8%に低下すると予想されている。しかし、この水準はロックダウン前の3月の4.5%の水準を大きく上回っている。
10月の雇用統計では63.8万人増となり、5月から労働市場の回復が始まって以来では最小の増加となった。
米国の経済指標としては、12月1日のISM製造業PMIとISM非製造業PMI、3日にば新規失業保険申請件数などがある。
緊急融資プログラム資金の返還
ムニューシン米財務長官は19日、緊急融資プログラムの一部を延期せず年末に終了すると表明し、FRBはその後異議を唱え、財務省とFRBの意見相違が表面化した。
しかし、パウエルFRB議長は20日、緊急融資プログラム資金の返却に応じる意向を示した。その後ムニューシン氏は25日、緊急融資プログラムを巡って、パウエルFRB議長と緊密な強調を維持していると述べ、対立しているとの観測を打ち消した。
今週も引き続き、パウエル氏とムニューシン氏の緊急融資プログラムについての発言は注目される可能性が高い。
OPEC総会
11月30日から12月1日に開催されるOPECの定時総会では、OPEC非加盟の主要産油国と2021年の協調減産について協議する。
1月に予定していた減産幅の縮小を少なくとも3ヶ月延長する公算が大きい。
原油価格は1バレル50ドル台に近く8ヶ月ぶりの高値まで回復しているが、コロナウイルスによる懸念や、在庫水準の高止まり、リビアの生産量増加などが原油価格の上昇を抑えている。
ユーロ圏 消費者物価指数
12月1日にはユーロ圏の消費者物価指数(11月)が発表される。11月の消費者物価指数は前年同月比0.3%の低下が予想されている。
欧州中央銀行(ECB)は、第4四半期のインフレ率は前年同期比マイナス0.2%になると予想しているが、今回の消費者物価指数で予想通りとなれば4ヶ月連続の低下となる。ECBのチーフエコノミスト、フィリップ・レーン専務理事は、インフレ率の低下をさらに長期間容認した場合、消費や投資に悪影響や、期待インフレの低下の可能性を示している。
今回のユーロ圏消費者物価指数は、12月に予定されているECBの金融政策決定会合を前にさらなる景気刺激策の必要性を強調するものになると予想されている。