[北京 15日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)の陳雨露・副総裁は15日の会見で、金融政策を通じて今年の景気回復に必要な支援を行うと述べた。
今年は穏健な金融政策をより弾力的に、的を絞った適切なものにするとも発言。物価の安定を優先し、急激なシフトは回避すると述べた。
陳副総裁は「穏健な金融政策をより弾力的に、的を絞った適切なものにし、景気の回復に必要な支援を継続する」と述べた。
陳副総裁は、金融システム全体のリスクを視野に入れたマクロプルーデンス政策を通じ、中銀は資産価格の乱高下を防ぐ方針を示した。
陳副総裁によると、2020年末の企業向け貸し付けの加重平均金利は4.61%で、2019年末に比べ51ベーシスポイント低下した。資金繰りがひっ迫した企業に当局がコスト削減を指導したことが奏功したという。
会見に同席した人民銀金融政策局の孫国峰局長は、将来的に人民元が上下に大きく変動することが平常の状態になると指摘した。同局長は人民銀は基本的に元を合理的で均衡のとれた水準に安定させると述べ、現在の方針を繰り返した。人民元は昨年、対米ドルで7%近く上昇。今年に入っても強含み基調が続いている。
孫局長は、現在の金利水準は適切との認識を示し、中銀はあらゆる政策手段を用いて流動性を合理的な範囲で潤沢な水準に維持すると述べた。
孫局長は、人民銀行が今年も引き続き企業の借り入れコストを引き下げるとも発言した。
政策決定に関与している3人の関係筋が先月ロイターに明らかにしたところによると、人民銀行は2021年に経済への支援措置を縮小し、信用の伸びを抑える方針だが、景気回復が腰折れする恐れやデフォルト(債務不履行)などへの不安が根強いため、性急な金融引き締めは行わない見込みという。
2020年の国内銀行の新規融資は19兆6300億元と、過去最高だった19年から16.8%増加した。
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